中小企業成長促進法とは
中小企業成長促進法の正式名称は、「中小企業の事業承継の促進のための中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律」です。
この目的は、「中小企業の廃業を防ぐ」とともに、「中小企業が積極的に事業展開を行い、成長できる環境を整備する」ことです。
そのために、「経営者保証の解除支援」、「みなし中小企業者特例」、「海外展開支援」、「計画制度の整理」など、必要な措置を講ずるものです。
特に、新型コロナ危機下での事業継続と雇用維持を後押しし、危機収束後は、中小企業の成長を促す支援策として活用されます。
事業承継の促進
後継者候補がいるにもかかわらず、承継を拒否する理由の7割が、経営者保証を求められることを理由に、承継を拒否している状況があります。
この状況を打破するために、経営者保証を不要とする信用保証制度が創設され、さらに融資枠が拡大します。
M&Aによる成長支援
中小企業が、増資や従業員増加により中小企業要件から外れても、地域経済牽引事業計画の実施期間(5年以内)は、中小企業とみなす措置により、中小企業向け支援を継続して受けられるようになります。
海外展開支援の強化
今までの海外子会社への資金供給方法には制約があったため、これらの機能を補完するために「クロスボーダーローン」が利用できるようになりました。これにより、資金調達の手段が増えることになります。
中小企業目線での政策体系の整理
このほかにも、経営支援計画の統合と廃止を行い、整理しました。
まずは、コロナ危機を乗り切り、廃業を回避し、そして、次の事業の成長を目指すために、新しい法律と制度をうまく活用していきましょう。
この記事は、経済産業省 中小企業庁 2020年9月発行「中小企業成長促進法について」をもとにまとめています。