保険のコミッションに依存しない顧問型金融コンサルティングへ

インタビュー
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経営セカンドオピニオン協会理事の中島宏明が、顧問型金融コンサルタントとして活躍する片山喬太氏にお話を伺いました。

片山喬太氏 プロフィール

株式会社Best Triumph Consulting 代表取締役
マネーコンサルタント
お金を生み出し育てる専門家。

技術系派遣の法人営業、外資系保険会社を経て現職。
MDRTなどいくつかの賞を取るが、金融機関の枠を超えて顧客に最適のサービスを提供したいというビジョンから30歳で独立を決意。
日本では極めて珍しい顧問契約型金融コンサルタントで起業。
わずか3年で110社とのクライアントを獲得。営業パーソン2人のチームを率いて年商2億円を実現。

経営者と対等な立場になるために起業

中島宏明理事(以下、中島)――本日はありがとうございます。片山さんは、保険営業出身ながら、コミッション(保険商品の販売手数料)に依存しない顧問型金融コンサルタントとして多くの経営者やドクターから定評がありますよね。なぜ今のような金融コンサルタントを目指すようになったのか、その経緯を教えてください。

片山喬太氏(以下、片山氏)――起業したのは約4年前で、現在5年目です。最初は人材派遣会社に就職し、その後は保険会社でも働きました。保険会社の後は保険代理店で、法人のお客様が90%という環境でした。保険募集人は、保険商品を売らないと収入が増えない構造なのですが、収入は増えても「イマイチ経営者の役に立てていない」という実感があったのです。立場が低いというか……。

経営者の方にとって、「うちの先生」というと多くは税理士の先生で、なにかと頼りにする存在です。やはり士業が強い。自分は経営者の方の伴走者であるという意識はあったのですが、経営者の方からすると「しょせんは経営の経験や知識のない人」。それで、経営者と対等な立場で話をしたいと考えるようになりました。その考えをもとに、まずは保険代理店として独立したのが起業の経緯です。

中島――なるほど、対等な立場というのは大切ですよね。わざわざ上から目線になる必要はないですが、常にご機嫌を伺うような関係性は長続きしませんし……。片山さんは保険代理店として独立しながらも、「保険は売らない」と宣言していたと伺いましたが、それはどういうことだったのでしょうか?

片山氏――目指していたのは、顧問型の金融コンサルティングサービスの提供でした。保険商品を販売することが目的になってしまうと、本当の意味で経営者の方の役に立つことはできないと考えていたので、そういう宣言をしていたわけです。

起業したとき、すでに税理士の先生とのネットワークはあったので、士業の方々と連携して金融コンサルティングサービスを提供する構想でした。いわゆる保険屋さんは、用事がない限り経営者の方から呼ばれません。そういう関係性ではなく、「なにかあったら、まず相談される」ような立ち位置になりたいと思いました。

そこで、まずは自社で実験をしたんですよ。節税対策にはいろいろな手段がありますが、本当に経営者の方にとって有効なのかを試しました。それで気づいたのが、「資金ロックがキツイな」ということで、流動性・換金性の高い資金が目の前に貯えられることが重要だと感じました。

経営者の方とお話していると、事業に関してはとても詳しいのですが、案外お金に関しては知らないことが多い。「だれも教えてくれないから知らないんだよ」とおっしゃる方もいて、それならお金に関して話せる相手に自分がなろうと思ったのです。税理士の先生は、税務の専門家であって財務は専門ではない。それなら、税理士の先生とも連携して仕事ができるので、チームで仕事をするイメージですね。

中島――どんなお客さんが多いのですか?

片山氏――最初は小規模の会社さんや個人事業主の方がお客様でした。成果が出るとご紹介していただくことが増え、段々と顧問先の事業規模が大きくなって、今は医療法人や上場企業のお客様もいらっしゃいます。顧問先は120社を超えました。

中島――それは理想的な拡大の仕方ですね。やはり口コミで徐々に広がっていくのが持続性からも良いと思います。

顧問型金融コンサルタントチームを組織

中島――片山さんの会社のサイトには、「多くの情報が飛び交う時代に、より良い情報を素早く取得し、選択し実行することはとても重要なことと言えます。弊社では常に最新の情報を取得・選別し最高の情報をお客様へご提供し、知らずに損をすることを無くす為のアドバイスをさせて頂きます」とありますが、情報に溺れてしまう人は多いですから、情報の目利きをしてくれる存在は極めて重要だと思います。

片山氏――そうですね。良い話を持ってくる人には、必ず売るものがあります。ポジショントークをしているというか、バイアスなく話す人はまずいませんよね。私たちの場合、なにかを販売するわけではなく、その代わりに顧問料をいただいています。ですので、ポジショントークをする必要がないのです。

ただ、単純に顧問料をいただくのは良くないと考えています。顧問料は月10万円なのですが、顧問料以上の利益を出せると確信できる企業様とだけ顧問契約するという理念を持っています。一般的に、コンサルティング会社は成果があいまいで、ただのコストになってしまうことも。それでは不誠実ですから、明確な成果(=利益)を出すことにコミットしています。利益を出せないと判断したら、依頼があっても顧問契約は辞退していますね。

中島――それは極めて誠実ですね。高い顧問料だけ取るコンサルタントも多いですからね。具体的には、どのようなサービスを提供しているのですか?

片山氏――財務や税務に関するコンサルティング、相続・贈与に関するアドバイス、金融機関と連携しての融資サポート、経営者の方の住宅ローンサポート、投資案件の精査や詐欺商品の調査など多岐に亘りますね。お客様から相談があればそれにお応えするのが役目ですから、自然と広がってきました。

中島――詐欺商品の調査までですか。それは幅広いですね。私にも、よく「この案件どう思いますか?」という相談が友人から来ます。有名な詐欺師が紹介している案件や、一般的には経歴も素晴らしくて著名だけど、実は暗躍しているような人の案件も多く……情報格差というか、「知らないと損する(騙される)」というのはよくあることだなと実感します。

片山氏――そうですね。やはり東京と地方では情報格差があると感じています。そういう格差を埋めていきたいですね。

さまざまな相談内容に対応するため、税理士や会計士、弁護士、司法書士、行政書士、弁理士、社会保険労務士など各士業の先生との連携に強みがあり、士業の専門領域ごとに何人かの先生とチームを組んでいます。士業同士の意見が異なる場合は、ディスカッションして要点やメリットやデメリット、リスクなどを整理しています。一言に税理士さんと言っても、相続に強い先生がいたり、税務調査に強い先生がいたり、法人税に強い先生がいたりと、それぞれ特化した領域がありますから、相談内容によって先生をかえたり、複数の先生に相談して進めています。複数の専門家がいないと、解決できない相談も多いです。

特徴としては、顧問税理士はそのままで良く、替える必要がないことです。セカンドオピニオンとして関わらせていただくケースが多いですね。税務調査に立ち会うこともあり、関係性が深まると、顧問税理士をバトンタッチすることもあります。

中島――顧問税理士を替えなくて良いというのは、経営者の方にとっても精神的な負担が少ないですね。各士業の専門性を活かして意見をくれるのも、経営者にとって嬉しいですよね。

片山氏――大きい会計事務所ですと、営業職員の方とは会えますが税理士さんとは会えない、直接アドバイスがもらえないというケースも多いと思います。それだと不安になってしまうでしょうからね。

中島――片山さんがお客さんと話すときに大切にしていることはありますか?

片山氏――リスクとリターン(成果=利益)を伝えるようにしています。リターンについては、決算書をみて計算します。その時点では顧問契約をしませんし、お金も受け取りません。契約を結ぶのは、しっかりとリターンに対してコミットできると確信したときだけです。それは理念であり、哲学でもあります。

顧問先の取締役会に出席することもあるのですが、経営者の味方であることに徹底しています。常に経営者の味方でいないと、ブレてしまいますからね。

中島――コロナの影響で働き方に変化はありましたか?

片山氏――基本的にもともとオンライン対応だったのですが、ますますオンライン化が進みました。場所の制限がなくなったので、関東に限らず関西や他の地方のお客様も増えています。

相談内容としては、資金繰りを再検討したいというご相談が増えています。コロナで売上が下がり、毎月の経費をどう捻出するか、という経営課題があります。最近では、税金対策などをシミュレーションすると約4,800万円変わるというケースがあり、すぐに役員会議にかけていただいた事例もあります。場合によっては、少し見直しや工夫することでキャッシュフローを良くすることも可能ですから、まずはご相談していただきたいですね。

もしも今、20代だったら学びたいこと

中島――片山さんは現在30代ですが、もしも今20代だったら、どんなことを学びたいですか?

片山氏――経営者の方に密着できる会社に就職して、経営者の方の考え方を学びますね。大きな企業よりも、小さな企業を選ぶと思います。より経営者目線を知ることができますから。

今後は、起業する人・経営者は増えていくと考えています。もっと早くから経営者の方の考え方を知っていれば、もっと早く独立していたでしょうね。今の仕事はとても生きがいを感じていますし楽しいので、もっと早く起業すれば良かったと思っています。

あとは、語学を学んでおくと良いですね。最近、6か国語を話せる人を雇ったのですが、話せる言語が多いと、それだけ話せる相手が増えることになります。語学力があれば、もっと海外に出て行っていたでしょうし、海外に出ると日本の良いところや良くないところ、海外の良いところや良くないところが見えて、視野が広がります。視野が広がると、発想が変わるので楽しいです。今行っている顧問型の金融コンサルティングサービスも、アメリカ人と話していて思いついたアイデアなのです。

アメリカなどでは、トラスティ(管財人)がいて高いレベルの金融サービスを受けています。企業にとっての10年は長いので、長い期間資金がロックされるというのはリスクが高い。10年以内になにが起こるかわからないですからね。それなら、トラスティと相談しながら自分で管理できる方が強いと感じました。

中島――アメリカやヨーロッパなどでは、プライベートバンクやファミリーオフィス、トラスト(トラスティ)などが広く知られていますよね。日本のプライベートバンカーとアメリカなどのプライベートバンカーでは、サービスにも差があると思います。少なくとも、商品を売り込んできたりはしませんからね。日本と海外にも情報格差はありますから、海外に出て視野を広げることは有意義だと思います。やはり足を運ばないとわからないことは多いですから。「日本はもうダメだから海外に出る」というのは賛同できないですが、視野を広げたり発想を変えたり、友人を増やすのは楽しいですよね。

最後に、今後、片山さんが実現したいことを教えてください。

片山氏――同じ志の仲間を増やすことと、社員のスキルアップにも力を入れていこうと思っています。最近は、保険代理店に弊社の金融コンサルティングのノウハウを提供し、チームで一緒になって高い品質の金融サービスを啓蒙していく準備をしています。2021年もコロナの影響は続くでしょうから、そんな状況下でも財務を強くし、顧問先の事業を継続・発展させるために貢献していきたいですね。

この記事を書いた人
中島 宏明

2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency

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