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『「顧客消滅」時代のマーケティング』著者・小阪裕司氏インタビュー
「なぜ、あの会社は業績をアップさせ続けるのか?」

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ワクワク系マーケティング実践会主宰者、そして情報学博士として活躍する小阪裕司氏へのインタビュー。
当協会代表理事の大坪勇二が、小阪氏の著書『「顧客消滅」時代のマーケティング』の内容を中心に、「コロナ禍でも業績をアップさせ続けた中小企業」の秘密、そして新しい時代のビジネスのあり方についてお話をうかがいました。

小阪裕司(こさか・ゆうじ)
オラクルひと・しくみ研究所代表。博士(情報学)。九州大学非常勤講師、日本感性工学会理事。
山口大学人文学部卒業(専攻は美学)。1992年オラクルひと・しくみ研究所を設立。2000年からその独自のマーケティング手法を実践する企業の会であるワクワク系マーケティング実践会を主宰。現在、全都道府県・海外から約1500社が参加。約20年に渡る活動で、1万件以上の成果実例を生み出している。近年は研究にも注力し、2011年工学院大学大学院博士後期課程修了、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得、産官学にまたがり、年間数多くの講演・講義も行う。2017年からは、この理論と実践手法を全国の企業に広める事業が経済産業省の認定を受けている。
『日経MJ』紙に14年に渡りコラム「招客招福の法則」を連載した他、著書は最新著『「顧客消滅」時代のマーケティング』(PHP研究所)、『「買いたい! 」のスイッチを押す方法』(角川書店)、『価値創造の思考法』(東洋経済新報社)など多数。

景気変動の影響を受けない「ストック型のビジネス」

大坪
『「顧客消滅」時代のマーケティング』の中に「フローの顧客とストックの顧客の差」というお話があります。
「フローの顧客」というのは要するに新規客、一見客。ビジネスは店舗でいえば立地が重要で、集客は主に広告やSEOなどで行う。
それに対して「ストックの顧客」とは常連客、リピーター、ファンといった顧客のこと。ストックのビジネスは、立地などよりも顧客との継続的な〝コミュニケーション〟が重要で、顧客数や顧客リストを重視するというものです。
そして、景気変動の影響を受けにくいのが、ストックの顧客を対象としたストックのビジネスである、と。

小阪
そうです。しかし今、ストックのビジネス、ストック型の経営ができていない会社がとても多い。そしてそういう会社は、今回のコロナ禍でも大きく翻弄されてしまう。
ストック型の経営ができている会社、できていない会社というのは、すぐにわかります。「顧客をストックする」ためには(ワクワク系マーケティングでは)やらなければならないことが決まっています。それをやっていない、ということは、ストック型の経営ができていないということですから。

大坪
ワクワク系マーケティングではもうストック型の経営のやり方というのがすでに体系化されている、ということですね。そして『「顧客消滅」時代のマーケティング』では、その実践例がたくさん出てきます。

小阪
たとえば私が主宰する会の会員さんである住宅リフォーム会社。住宅リフォームというそう頻繁には購入されないサービスを扱う会社でありながら、コロナ禍においても「前年対比300%」という実績を挙げたんです。経営者からは「もう忙しくてたまらない!」という嬉しい悲鳴が。
この会社が何に注力していたかというと、それはストック型のビジネスに欠かせない「ファン作り」です。
会社全体として「ファン顧客を作ること」の重要性はよくわかっていたのですが、営業担当者ごとに、業績にどうもバラつきがあった。そこで、業績の良い営業担当者の実践をメースに、全社的に、より徹底してファン作りのための「お客様とつながる活動」をしていきました。
具体的にいえば、そのひとつは「お客様にハガキを出す」というとても古典的なやり方。一番業績を挙げていた女性スタッフが出していたハガキに書かれていたのは、「レモンの木を育て始めました!」なんてことだけ。そして何ヶ月か後のハガキには「レモンが枯れました…」。自分の身近な出来事を発信していたんです。要するに顧客との「人対人」のコミュニケーションですね。これがまったくできていない会社が多いんです。

大坪
お客様に対してはどうしても「有益な情報」を提供しなければ…と思う経営者が多いものですよね。

小阪
もちろん、そうした情報の提供もファン作りのためのひとつの要素にはなります。でも、それよりも「レモンの木を育て始めました!」のほうが、実はずっと強力なんです。DMだけではファン作りはできないんです。

(「ファン作り」のさらに詳しいお話はこちらの動画をチェック)

https://www.youtube.com/watch?v=fCOF4P7Cxe0

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あなたの会社は既存客との「つながり直し」をしているか?

大坪
ストック型のビジネスでは「顧客リスト」というものも非常に重視します。そもそも世の中の経営者で顧客リストを意識している方というのは多いものですか?

小阪
とても少ないと思います。「リストマーケティンが大事」などということで、アンケートを取ってみたり、無料プレゼントをしてみたりでリストを集めても、結局そのリストに対してその後何もしないわけです。
リストとは要するに「人間の集団」じゃないですか。でも、その人間の集団から売り上げが生まれてくる……という捉え方をしていないのでは? と感じますね。
たとえば「どんな商品が人気なのか?」といったデータを見るための、分析の道具としてしか見ていない。これではリストを活かしているとは言えません。「リストの先には一人ひとりの人間がいる」というリアリティを持たなければならないんです。

大坪
本にも書かれていますが、そのリストを活かす、顧客との関係づくり、ファン作りのために必要な方策として、「自己開示」がある、と。そのひとつの例が先ほどの「ハガキで〝レモンの木の話〟をする」というものですよね。身の回りの出来事を話す、という。
『「顧客消滅」時代のマーケティング』の中には、コロナ禍をものともせずに業績をアップさせた会社の事例がたくさん出てくるんですけど、そんな会社に何か共通していることってありますか?

小阪
実はいま経営を続けていられる会社というのは、案外すでに顧客を持っているものなんです。ところがその顧客と〝ちゃんとつながっていない〟んです。だから、〝つながり直す〟必要があります。ワクワク系マーケティングを最近始めてすでに実績を出されている会社も、「既存の顧客とつながり直す」ことから手を着けました。これもリフォーム会社の事例なんですが、既存客とのつながり直しをはじめただけで、業績は前年比160%になった。既存の顧客の中には「ちょうどリフォームを考えていた」という人もいれば、「そういえばこの前はいい仕事をしてくれたよね」なんて思ってくれる人が案外いるものです。
しかし、顧客がかつて「いい仕事をしてくれた」感じたとしても、つながりが切れてしまっていれば、顧客は「次はどこに頼もうかな」という思考、検索思考になるものなんです。
でもそこで「いい仕事をしてくれた会社」のことを思い出したら? 顧客もあえて新しいところに頼むというリスクは冒しません。つながり直したことによって、そういう既存客の方々からの受注が集中したわけですね。

(「顧客とのつながり直し」のさらに詳しいお話はこちらの動画をチェック)

https://www.youtube.com/watch?v=hpOtIZLRyVo

「エコシステム全体をハッピーに」という発想

大坪
本の中では「ファン作り」の〝上級者編〟ともいえる事例も出てきますね。BtoBのビジネスで、取引先を集めて「どうすれば工務店・リフォーム会社の業績を上げられるか」の勉強会を開催する建材メーカーさん。それに全国のペットショップ、動物病院を対象とした勉強会を開催する、犬・猫のプレミアムフードの製造販売会社さん。これって「勉強会」によって取引先を「ストック化」しているわけですね。
でも、このことによって直接的に自社の商品が売れる、というわけではないでしょう。少し高度な取り組みのようにも感じるのですが……。

小阪
そうですね。実はこういった取り組みは、世の中的には若干〝最先端〟なのかもしれませんね。「これからは、さまざまなステークホルダーが集まったエコシステムでひとつのビジネスが成り立っていく時代になる」という考え方です。
たしかに勉強会を開催したからといって、目先の問題としての売り上げが上がるとは限らない。でもエコシステムとして見た場合、取引先は駆け引きの相手ではなく「同志」のようなものです。エコシステムにいるすべてのステークホルダーが最終的につながる〝エンドユーザー〟の人たちの豊かさを一緒に実現させて、彼ら彼女らに支持され続ければ、エコシステム全体が豊かになるわけです。
先ほどお話に出たリフォーム会社は、ステークホルダーの一員である現場の職人さんとの絆づくりにも注力しています。年に1回、職人さんの表彰式を行ったり。すると本人はもちろん、職人さんのご家族にも喜んでもらえるんですね。何よりみんなが仕事を誇らしく、楽しく感じられるんです。

大坪
ステークホルダーみんなが幸福になるシステムを作っていくという喜びは、「経営者」としてビジネスをやっている人間にとってはとても大きいでしょうね。

小阪
ワクワク系マーケティング実践会で20年以上、10,000件以上の事例を見てきていますが、取引先、職人さん、お客さん、場合によっては取引のある銀行だったり、そしてもちろん自社の社員、アルバイト・パートスタッフ……さまざまなステークホルダーみんながハッピーになっている、そんな会社が、本当にたくさんあるんです。「みんながハッピーになるシステム」は、夢物語でも理想論でも何でもありません。実際にできることなんです。そしてそれを誰がやるか? です。先ほどの例でいえば、メーカーさんが立ち上がった。そして立ち上がった人を中心に、ハッピーなエコシステムが出来上がっていく。これは素晴らしいことですよ。

大坪
そうですよね! 何だかワクワクしてきました!

(「エコシステム」のさらに詳しいお話、小阪氏の研究についてのお話はこちらの動画から)

https://www.youtube.com/watch?v=yytmW9voyLo

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