会社経営をしていると、「商工会議所」や「商工会」という言葉を耳にする機会があるでしょう。どちらの組織も、経営に役立つことがあります。では、「商工会議所」と「商工会」にはどのような違いがあるのでしょうか? 商工会議所の成り立ちや商工会との違い、商工会議所に加入するメリット・デメリットについてもご紹介します。
商工会議所とは
商工会議所(しょうこうかいぎしょ、英語: Chamber of Commerce and Industry)は、商工業の改善・発展を目的として、市など一定地区内の商工業者によって組織される自由会員制の公益経済団体。
概要
商工会議所としての意見の公表・具申・建議、調査研究、証明・鑑定・検査、技術や技能の普及・検定、取引の仲介・あっせん、貿易振興などを行う。
商工会議所の起源は1599年のフランスのマルセイユに組織された商業会議所とされている。以来、各国に同種の経済団体が組織されているため、国内外における調整機関として役割を持つことが可能。その形態は大きく仏独系(強制加入)、英米系(任意加入)に分類される。
日本の商工会議所は1878年(明治11年)、東京、大阪、神戸の3箇所に商法会議所として設立されたのがはじまり。1892年(明治25年)15の商業会議所がその連合体として商業会議所連合会を結成、今日では商工会議所法に基づく認可法人の位置付けとなっている。
現在の形態の商工会議所は、1953年8月に制定された商工会議所法に基づいて運営されている。商工会議所青年部(YEG)や商工会議所女性会も商工会議所の一部として立ち上がっている。
日本においては幾たびかの制度改正が行われ、仏独系から現在の英米系の商工会議所として今日に至っている。簿記検定やご当地検定の主催など、様々な資格・検定試験を実施している。
日本の商工会議所数は515カ所(2016年(平成28年)4月現在)[1]。総会員数は125万(2015年(平成27年)3月現在)[1]。
商工会議所|フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
商工会議所の起源は、1599年のフランス・マルセイユにまで遡り、日本に入ってきたのは1878年(明治11年)のことのようです。海外発祥の仕組みで、歴史のある組織ということがわかります。
日本商工会議所のホームページはこちら。
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商工会議所と商工会の違いは?
商工会議所とともによく耳にするのが、「商工会」です。商工会議所と商工会には、どのような違いがあるのでしょうか?
商工会 は、地域の事業者が、お互いの事業や地域の発展のために、業種に関わりなく会員となり活動を行っている団体です。現在、全国に1,667の商工会があります。また、各都道府県には商工会連合会があり、地域の小規模企業や中小企業を支援しています。国が認定した経営指導員が常駐しており、経営全般のサポートを行っています。
▼ 根拠になる法律
商工会法
▼ 管轄官庁
経済産業省中小企業庁
▼ 活動地区
町村の区域
▼ 会員規模
小規模事業者が中心。個人事業者やSOHOでも加入可。
▼ 事業内容
中小企業施策。中心となる事業は、経営改善普及事業。
▼ 設立要件
地区内の商工業者の1/2以上が会員となる
▼ 意思決定機関
すべての会員で構成される総会
商工会議所と商工会とでは、活動地区が市と町村と、規模に違いがありますが、商工会議所が商工会の上位組織というわけではありません。都道府県の商工連合会を会員とする総合経済団体は、特別民間法人の全国商工会連合会となっています。
商工会と商工会議所の違いとは? 双方の役割について紹介|PARAFT
商工会議所と商工会では、根拠となる法律が、商工会議所は商工会議所法。商工会は商工会法。管轄している官庁が、商工会議所は経済産業省・経済産業政策局。商工会は経済産業省・中小企業庁。管轄範囲が、商工会議所は市区単位。商工会は町村単位。主な事業内容が、商工会議所は中小企業や国際活動の支援。商工会は経営改善普及事業。会員規模が、商工会議所は小規模事業者~大企業まで。商工会は中小企業や個人事業主。と、それぞれ違いがあるようですね。
商工会議所に加入するメリットとデメリット
では、商工会議所に加入するメリットやデメリットには、どのようなことがあるのでしょうか?
商工会議所に加入するメリット
・会員限定のサービスや特典を受けられる
・地域での人脈を構築できる
・自社や商品をアピールする機会が増える
・経営体制を整えられる
・資金調達の手段を増やせる
商工会議所に加入するデメリット
・入会費が発生する(3,000円)
・年会費が発生する(数万円~30万円)
商工会議所に加入するメリット
会員限定のサービスを利用できる点は、商工会議所に加入する最大のメリットだ。たとえば、電子証明書や参加するセミナーの割引、損害賠償に対する補償制度など、商工会議所ではさまざまな会員限定サービスが用意されている。
ほかにも、イベントに参加することで横のつながりを築けたり、共済制度によって安心できる経営体制を築けたりなど、商工会議所のサービスは社内外の環境を整える際に役立つ。ただし、すべての事業者にとって有益なサービスとは限らないので、各サービスの内容は事前にチェックしておきたい。
商工会議所に加入するデメリット
商工会議所に加入するデメリットは、「コストがかかる」点だ。加入時には入会費として一律3,000円、その後も規模に応じた年会費を毎年支払わなくてはならない。
東京商工会議所を例に挙げると、資本金1,000万円の法人は毎年45,000円、10名以上の団体会員では毎年30,000円の年会費が発生する。地域によって年会費の仕組みにはやや違いがあるので、その点も事前に調べておきたい。
入会費の負担はそれほど大きくないが、毎年発生する年会費は経営の負担になる恐れもあるため注意しておこう。
商工会議所とは?商工会との違いやメリット・デメリット、加入方法までわかりやすく解説|THE OWNER
商工会議所に加入するメリット・デメリットはそれぞれあるようですが、コスト感さえ合えばデメリットは決して大きくはありませんね。むしろメリットの方が多いように感じます。
ただし、特典や制度、人脈を活かせるかどうかは経営者次第です。
交流会・親睦会などでありがちな、「あ~楽しかったな」で終わってしまうケースに陥らないよう、商工会議所に加入する目的を忘れないようにしましょう。
商工会議所が行う新型コロナウイルス対策支援
日本に515カ所ある各商工会議所では、さまざまな新型コロナウイルス対策支援を行っています。気になる方は、「〇〇(エリア名)商工会議所 コロナ」などで検索してみてください。
・日本商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・東京商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・水戸商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・さいたま商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・川口商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・浦和商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・福島商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・盛岡商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・静岡商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・神戸商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
・室蘭商工会議所の新型コロナウイルス対策支援情報
など、各商工会議所が支援情報を提供してくれています。