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経済産業省が社外取締役ガイドラインを公表〜社外取締役5つの心得〜

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経産省が「社外取締役の在り方に関する実務指針」(社外取締役ガイドライン)を公表しました。
コーポレートガバナンス(企業統治)が成長戦略の重要事項と位置付けられており、その中核の役割を期待されている社外取締役を有効に活用するためのガイドラインとなっています。

社外取締役ガイドラインの背景

経済産業省では、2019 年 11 月から 2020 年 1 月にかけて、 社外取締役の活動実態や課題を把握するため、東京証券取引所(以下「東証」という。)市場第一部・市場第二部の上場企業の社外取締役を対象にアンケート調査を実施したほか、並行して、42 名の社外取締役に対してインタビューを実施しました。

本ガイドラインは、これらの調査結果及びコーポレート・ガバナンス・システム 研究会(第 2 期)での議論を踏まえ、社外取締役としての役割認識や心構え、具体的な行動の在り方及び会社側のサポート体制についてのベストプラクティスを整理し、経済産業省として取りまとめたものです。

社外取締役ガイドラインの構成

全3章で構成されており、第1章では社外取締役の役割及び心構えとして特に重要な点をまとめています。第2章では社外取締役がその役割を果たすための取締役会や関係者との関係の在り方や具体的な行動について示し、第3章では社外取締役が役割を果たすために会社側が構築すべきサポート体制の在り方を整理しています。

社外取締役の5つの心得

以下、第1章に書かれている、社外取締役の心得について、記載します。

《心得 1》社外取締役の最も重要な役割は、経営の監督である。その中核は、経営を担う経営陣(特に社長・CEO)に対する評価と、それ に基づく指名・再任や報酬の決定を行うことであり、必要な場合には、社長・CEO の交代を主導することも含まれる。

《心得 2》社外取締役は、社内のしがらみにとらわれない立場で、中長期的で幅広い多様な視点から、市場や産業構造の変化を踏まえた会 社の将来を見据え、会社の持続的成長に向けた経営戦略を考えることを心掛けるべきである。

《心得 3》社外取締役は、業務執行から独立した立場から、経営陣(特に社長・CEO)に対して遠慮せずに発言・行動することを心掛ける べきである。

《心得 4》社外取締役は、社長・CEO を含む経営陣と、適度な緊張感・ 距離感を保ちつつ、コミュニケーションを図り、信頼関係を築くことを心掛けるべきである。

《心得 5》会社と経営陣・支配株主等との利益相反を監督することは、 社外取締役の重要な責務である。

社外取締役としての具体的な行動の在り方

第2章では、具体的な行動の在り方について、社外取締役が関わる主な場面ごとに整理しています。

就任時の留意事項

・会社側と役割認識についてすり合わせを行い、必要なコミットメントを確認する

取締役会の実効性を高めるための働きかけ

取締役会の開催頻度や審議時間、アジェンダセッティング

・取締役会の在り方を明確にした上で、開催頻度や審議時間を見直す

・アジェンダセッティングに関与し、取締役会の議案を絞り込み中長期的 な経営戦略等の重要な議案に注力するよう求める

・中長期的な経営戦略等の重要な議案については、固まる前の中間段階か ら繰り返し議論することを求める

取締役会を活性化させるための運営の工夫

・発言の機会を増やすための工夫

・その場で結論を得ることを目的としない議論の時間を設ける

・取締役会で発言や決議を行う際の心掛け

・経営陣に対応を求めた事項について、対応状況をモニタリングする

取締役会において建設的な議論を行うための情報共有や事前準備に関する取組

・取締役会に向けて入念な準備を行うため、事前説明や資料の早期提供を求める

・社内における検討経緯について情報共有を求める

・事実確認等の簡単な質問は事前準備の段階で済ませ、取締役会では議論を中心に行う

・監査役等からの情報共有の仕組みを構築する

・一定のテーマについて議論する任意の委員会を設ける

指名・報酬への関与の在り方

・経営陣の指名に関する社外取締役の対応の在り方

・経営陣の報酬に関する社外取締役の対応の在り方

取締役会、指名委員会・報酬委員会の実効性評価

・取締役会評価の実施に主体的に関与する

・経営陣にフィードバックし、改善策の検討を促す

・社外取締役自身の評価を行う

・社外取締役の構成やサクセッションプランを考える

取締役会以外の場でのコミュニケーション

・社外役員のみでの議論の場を設ける

・取締役会以外のインフォーマルな議論の場を設ける

・経営陣(特に社長・CEO)とのコミュニケーションを充実させる

投資家との対話や IR 等への関与

・投資家との対話を行い、その視点を取締役会の議論に反映させる

・監督者として投資家等への発信・説明を行う

情報収集、研修・研鑽

・能動的に情報を入手する

・研修及び研鑽

会社側が構築すべきサポート体制・環境

第3章では、会社側が構築すべきサポート 体制のうち特に重要なものとして、社外取締役への情報提供と外部の専門家を利用 する際の費用面のサポートを挙げています。

社外取締役への情報提供に関するサポート体制・環境

・社内の情報にアクセスできる環境の整備

・取締役会の運営・支援の役割を担う取締役会事務局の機能強化

・取締役会の事前説明及び資料の早期提供

外部の専門家を利用する費用面のサポート

関連資料

経済産業省「社外取締役の在り方に関する実務指針」を策定しました」(2020年7月31日)

社外取締役の在り方に関する実務指針(社外取締役ガイドライン)

参考資料1 社外取締役の声

参考資料2 社外取締役に関するアンケート調査結果

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