知らないと恥ずかしい「資金繰り」とは
厳しい資金繰りからどう抜け出す?

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経営者にとって、“3大経営課題”のひとつと言える「資金繰り」。なぜ資金繰りは厳しくなり、資金繰りショートの恐怖から逃れられないのでしょうか。本稿では、今さら聞きにくい「そもそも資金繰りとは?」という基礎知識から、資金繰り表の活用方法までご紹介します。

資金繰りとは

資金繰り(しきんぐり)は、「カネ繰り」と呼ばれることもある経営者にとって常に頭につきまとう経営課題のひとつです。売上(マーケティング)の課題と人材(新卒・中途採用や人材育成、人事、社内キャリアアップ、後継者)の課題とあわせて、“3大経営課題”と呼んでも良いかもしれません。

そもそも、「資金繰り」とは何を意味するのでしょうか?

資金繰りとは?

「資金」とは、現金、当座預金、普通預金、通知預金、定期預金、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、売戻し条件付現先、公社債投資信託など、会社としてすぐに支払いに利用できるものを指します。上場株式などは資金の範囲には含まれません。資金は、会社にとっての血液や空気に例えられますが、資金の流れが止まってしまうと会社は生きることができずに、倒産することになります。

資金繰りとは、会社の収入と支出を管理して、収支の過不足を調整することです。定期預金、貸付金、売掛金などは、すぐに支払いに利用できませんので、資金ではなく「資産」になります。もちろん、不動産や設備も、現金化されるには時間がかかりますので、資産に該当します。

(中略)

黒字でも安心できない

資金繰りができていることは、会社の存続にとってとても重要なことです。

たとえ帳簿上は黒字になっていても、資金回収が遅れたり、大がかりな設備に投資したりして、資金が不足していると、資金繰りができていない状態になります。売上が下がったり営業利益が下がったりしたからといって、すぐに倒産の危機に直面するとは限りません。しかし、資金が一時的にでも不足(ショート)すれば、取引先への支払いや従業員の給与の支払いができなくなり、さらには倒産の危機に直面します。

赤字経営の場合は、さらに資金繰りに注意する必要があります。資金がショートしないように、資金繰りを行いましょう。

(中略)

常に資金繰りを意識しておく

資金繰りというと、経営難に陥り、銀行や取引先に頭を下げて金策に駆け回っているという光景が思い浮かぶかもしれません。しかし、本来の資金繰りとは、このような状況にならないために、常に現在の資金状況を正確に把握し、将来の資金の出入りを予想して、資金不足にならないように手を打つことです。

経営者としては、常に資金繰りについて意識しておく必要があるでしょう。

資金繰りとは?経営者なら知っておきたい基礎知識|ビジドラ

このように、資金繰りは赤字経営のときだけ意識すれば良いわけではなく、黒字経営であっても常に意識する必要があります。

例え経営状況が絶好調であっても、今回のコロナショックのような不測の事態が起こる可能性は今後もあるわけですからね。

なぜ資金繰りはうまくいかない? ショートさせないために

では、なぜ資金繰りはうまくいかないのでしょうか? 資金繰りがショート(不足)してしまう原因には…

売上の増加や減少が原因の場合

売上が急激に増加する事で、資金繰りがうまくいかなくなってしまう事があります。

売上の回収を現金以外にしているパターンを除くと、この場合は利益が十分に出ていない事が原因として考えられるでしょう。

売れば売るほど資金繰りは悪化していく状態となっていますので、間違っても売上を伸ばそうとしてはいけません。逆に、売上が減少している場合は売上の増加を検討する必要性があると言えます。

売掛金の回収が原因の場合

売掛金の回収が原因となっている場合は、資金繰りがうまくいかない時の典型的なパターンと言えるでしょう。

通常、売掛金は売上が確定した翌月・または翌々月の回収としている企業が多いはずです。

仕入れの代金を売上で補っている場合などは、売掛金の回収が追い付かない事ですぐに資金不足へと繋がります。

特にメーカーや卸売はこのような状況に陥りやすいのではないでしょうか。

借入金の返済が原因の場合

借入金の返済が原因で資金不足となるのは、既に融資を受けている企業にありがちなパターンです。

融資、借入金は事業の売上によって返済していく事が一般的です。無理なプランや高金利の融資を受けていた場合、当然資金繰りに困ってしまう事があるでしょう。

例え確実だと思われるプランを組んでいたとしても上記の売上の増加や減少、売掛金の回収が引き金となり借入金の返済が滞ってしまうような事も考えられます。

過剰在庫が原因の場合

在庫が多いという事はつまり、仕入に使用した資金をしっかり回収出来ていないという事です。

資金が回収できていない事と合わせ、倉庫などを使用していた場合は在庫の維持・管理費用なども資金繰り悪化の原因として考えられます。こちらは特に製造業などに良く見られる原因でしょう。

その他の要因

上記以外でも資金繰り悪化の原因は複数存在します。例えば、過剰な設備投資を行っていた場合や納税による資金不足です。

将来的な事を考えず、余裕が出来たからと言ってすぐに投資を行っていては資金が不足する事も十分考えられるでしょう。

また、法人税や消費税などが原因となる場合は設立して1年目など日の浅い企業によく見られます。

資金繰りがうまくいかないなら!原因を見つけて適切に対処しよう|資金調達ガイド

などがあるようです。売上の増減や売掛金回収、借入の返済、過剰在庫などが資金繰りがうまくいかない原因として考えられますが、なかでも「売上の急激な増加」によって資金繰りが悪化するケースには注意が必要です。売上が伸びていると、「会社はうまくいっている」と盲目になり、余計な経費を使ったり余計な投資をしてしまいがちだからです。

資金繰りとキャッシュフローの違い

資金繰りやカネ繰りと似た言葉に、「キャッシュフロー」があります。資金繰りとキャッシュフローには、どのような違いがあるのでしょうか?

資金繰り表は将来の資金予測をするツール

資金繰りを管理する資金繰り表の作成目的は

資金不足を事前に予測するためです。

そのためには将来の資金残高を予想する必要があります。

予想をするためには入金と出金を項目別の予測値を

算出しなければなりません。

将来の数値を予測することはなかなか難しいと

感じるかもしれませんが簡単な方法としては

過去の3~6ヵ月の実績を整理して月平均値を

利用する方法があります。

理想としては1~3年程度の経営計画を作成し

その数値を利用する方法があります。

予想数値を資金繰り表に入力しながら将来の

予測資金残高を管理します。

まずは3~6ヵ月先の資金繰りを

資金繰り表で予測してみましょう。

キャッシュフロー計算書は過去の実績を分析するツール

キャッシュフロー計算書の作成は過去の資金の流れを

分析し、なぜ資金が増減したのかその原因を

確かめることが主な目的です。各区分のキャッシュフローを

分析し(プラスかマイナスか確認する。) 財務の健全性を

確認し必要に応じて各区分のキャッシュフローを改善します。

キャッシュフローはすべての区分で

常に黒字化しているわけではありません。

赤字になることもあります。

ではなぜ赤字化しているのか区分ごとに原因を追究し

その原因の理由が適切であるかどうかを検討します。

以下3つの区分により原因を分析します。

営業活動によるキャッシュフロー

会社が本業でどれだけ資金を稼ぎ出したかを示す重要な区分です。

この区分が赤字であると経営改善が必要です。

慢性的な赤字だと会社の存続が難しくなります。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動を示す区分です。営業で獲得した資金を将来のために

どれだけ投資しているのかがわかる区分です。

固定資産などの購入などが含まれています。

通常適切な投資をしていればマイナスになりますが

営業活動によるキャッシュフロー以上の投資になれば

不足する資金を調達しなければなりません。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動を示す区分です。主には銀行への返済や融資による

資金調達などで資金が増減します。銀行からの借入があり返済していれば

この区分のキャッシュフローは通常マイナスになります。

また設備投資などでまとまった資金が発生すればプラスになります。

資金繰り表とキャッシュフロー計算書の違いを理解していますか?|最強の資金繰りプロ

資金繰り表は「将来」「未来」を。キャッシュフロー計算書は「実績」「過去」を表すものと理解しておくとわかりやすいかもしれませんね。

厳しい資金繰りは「資金繰り表」で脱却しよう

資金繰りは常に経営につきまとう課題ですが、資金繰り表を活用して「常にプランBを用意しておく」ことができれば、経営者にとっての精神安定剤になるはずです。

資金繰り表を有効に活用するポイント

部門をまたいだ情報のキャッチアップが必要不可欠

社員数が10名程度の中小企業であっても

資金繰り表を見るのは「経理担当者」「経営者」

営業するのは「営業部」

広告宣伝をするのは「広告宣伝部」

商品開発をするのは「商品開発部」

人事をするのは「人事部」

総務をするのは「総務部」

社員数が少なければ掛け持ちもあるでしょうが、このぐらいの部署は分かれているはずです。

「計画通りの入金があるかどうか?」を知っているのは

「営業部」

「広告宣伝部」

です。

「計画通りの支出があるかどうか?」を知っているのは

「広告宣伝部」

「人事部」

「総務部」

です。

「経理担当者」や「経営者」は資金繰り表を運用するにあたって

「計画通りの入金があるかどうか?」

「計画通りの支出があるかどうか?」

を常にキャッチアップして、情報を更新し続けなければならないのです。

難しいポイントは

「営業部」

「広告宣伝部」

は「計画が順調だ。」と、実際の状況を言わないケースが多々あるということです。

計画が未達状況であっても、それを正直に報告できない担当者や部署は多くあるのです。

当然、これでは「経理担当者」や「経営者」が資金繰り表を作っても、意味がありません。

性善説に基づいて報告をベースに目標の進捗を把握するのではなく

業務管理ツールなどを活用して、数値面での進捗を「経営者」が先頭になって把握することで、資金繰り表の精度も大幅に向上するはずです。

経営上の数値管理は、正確に行わないと、どんなに立派な資金繰り表を作っても、役に立たないのです。

資金調達のプランBを多く用意する

5月1000万円の短期借入

を計画していた場合には

3月ぐらいからメインバンクの融資担当者に話を通す

ぐらいのタイミングになるのではないでしょうか。

しかし、このときに

メインバンクの融資担当者から

「貴社なら問題ないと思いますよ。」

と言われたとしても、そこで思考を止めてしまってはいけません。

資金調達というのは、倒産を回避する最後の砦ですから、

「万が一、メインバンクからの融資が受けられなかったらどうするのか?」をプランBとして、持っておく必要があるのです。

テレビドラマなのでは

「○○さんが融資できるっていったじゃないですか!」

と銀行の融資担当者に下町工場の社長が食い下がっているシーンなどがありますが、現実には「信用した方が悪い」のです。

プランA:メインバンクからの借入

プランB:メインバンクの融資が○○日までにおりなければ他の銀行へ融資依頼

プランC:他の金融機関の融資もおりなければビジネスローンを検討

プランD:経営者からの増資で対応する

など、複数のプランBがある状態で、資金調達を実行する必要があるのです。

「ダメでした。」 = 「倒産」

になってしまう可能性もあるのです。念には念を入れて資金調達を計画すべきなのです。

資金繰り表の作り方と活用法を資金繰り表テンプレートの例を示して丁寧に解説|資金調達BANK

「常に不測の事態に備えること」は、経営者にとって必須の心構えと言えるでしょう。資金繰り表を作成して、ぜひ経営に役立ててくださいね。

この記事を書いた人
中島 宏明

2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency

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