コミュニティは、「共同体」という意味を持つ言葉ですが、最近はビジネスでも多く使われています。「コミュニティを持ち、そこでビジネスを展開しよう」「オンラインサロンでコミュニティビジネスを始めよう」などと使われます。自分のビジネスにつなげようと、さまざまなコミュニティに所属する経営者の方もいらっしゃいますが、本当に価値のあるコミュニティとはどんなものなのでしょうか。
オンラインサロンに価値はあるのか
ビジネスパーソン向けのオンラインサロンやビジネスセミナー、起業家養成講座などが、オンラインや全国各地で数多く開催されています。そういったオンラインサロンやビジネスセミナーに参加することで、事業の売上アップに多少は貢献するのかもしれません。しかし一方で、「こんなオンラインサロンやビジネスセミナーだったら、退会しても損はなさそう」と感じるものもあります。
・経営経験のないコンサルタントが講師をしている
・講師の著書を買わされて、Amazonで☆5のレビューを書かされる
・精神論ばかり説いてくる新興宗教的講師
・ただの講師の自慢大会
このようなオンラインサロンやビジネスセミナーは、怪しさやうさん臭さを感じてしまいますね。
参加者の方も、
「有名人のオンラインサロンに入れば、自分も成功者の仲間入り!」
「あの著名人が言っていることだから、きっと間違いない!」
「すごそうな人たちと出会えたから、自分も成功できそう!」
という残念な考えだったりします。もはや思考停止していますね。オンラインサロンやビジネスセミナーに参加するよりも、まずはリテラシーを高めることが必要でしょう。
実体験を共有するコミュニティなら参加する価値がある
講師の自慢大会や一方的な価値観の押し付けに、お金を出してまで付き合うのはご免こうむりたいですが、参加者同士が実体験を共有するコミュニティであれば、そのコミュニティには価値があると思います。
うまくいったアイディアや方法を共有したり、それに対して意見交換をすることには高い価値があります。それによって自分の行動が変わるかもしれませんし、行動はやがて結果を変えて、人生を変えてくれます。そのきっかけをくれるコミュニティであれば、お金を出す価値は十分にありますし、そのコミュニティに参加し続けたいと思えるでしょう。
海外不動産投資の実体験者が集まる「ASEAN不動産研究所」
私が実際に参加している唯一のオンラインサロンは、『ASEAN不動産研究所』というオンラインサロンです。エイリックという不動産情報ポータルサイトを運営している田中圭介氏が主催しています。田中氏は、海外不動産協会(OREA)という協会の理事長もされている方です。オンラインサロンの参加者は、みなさんASEAN各国で不動産投資や事業をされている方々です。
「こうしたら入居付けがうまくいった」
「デベロッパーはこういう風に探すと良い」
「この国では、こういう可能性がある」
など、具体的な話が飛び交っていますので、極めて有意義だと思います。
海外不動産は、悪徳ブローカーが多く存在する世界ですので、ポジショントークやバイアスなしで情報交換できる場はなかなかありません。オンラインサロンでの交流だけでなく、ときどきオフラインで直接交流できるのも実に楽しいです。
M&Aのアドバイザーや経営者たちが集まる「スモールM&A研究会」
オンラインサロンではありませんが、私は参加しているコミュニティに「スモールM&A研究会」という会があります。つながりバンクというスモールM&Aに特化した会社の齋藤由紀夫氏が主催している研究会です。こちらも、定期的にオフラインで勉強会が行われており、ゲスト登壇者がバラエティ豊かで楽しいコミュニティです。
ノンネムシートの状態(社名や社名を特定できる情報が伏せられた状態)でM&A案件の情報共有がされることもあり、このコミュニティをきっかけに成立した案件も多くあるでしょう。
実際に仕事に活かせる知識やノウハウ、コミュニティを得られることには大きな価値があります。人と人とのつながり(=つながり経済)だけで仕事をしている私にとっては、とても有意義でありがたい存在です。