在宅勤務・テレワークの普及によって、人材採用の方法にも変化が生じています。合同就職面接会のような大規模な面接会は行えなくなりました。また、「人事・採用担当者が完全在宅勤務」というケースも出てきています。そんな中、会社はどのようにしてWEB面接(オンライン面接・リモート面接)を行い、採用選考を進めれば良いのでしょうか?
WEB面接(オンライン面接・リモート面接)のメリットとデメリット
Web面接導入のメリット
間口を広げることで優秀な人材発掘に繋がる
Web面接なら、東京・名古屋・大阪などの都市近郊だけでなく、地方の優秀な人材を発掘することが可能です。
応募者の絶対数を上げることができるので、希望に合う求職者に出会える確率も高くなります。ライバル企業が手をつけていない市場を開拓することで、人材の幅を広げることも可能です。
面接の精度を上げることでミスマッチを減らせる
Web面接は企業に出向く必要がないため、応募者側の負担を大幅に削減できます。本面接の前に簡単なヒアリングをすれば、本面接に進む前に会社に対するミスマッチを解消することも可能です。面接を複数回に分けることで、より精度の高い求職者を選ぶことができます。
現場のコストを減らすことで効率化が図れる
Web面接では会議室を確保する必要がなく、応募者への事務的な対応がなくなるため、採用側のコストも大幅に減らすことができます。
動画共有することで面接を仕組化できる
Web面接の内容は動画として共有できるため、社内ノウハウの構築に利用できます。担当者間の判断基準を比較検討することで、面接自体を仕組み化することも可能です。面接官のスキルアップにも利用でき、企業全体の生産性向上にもつながります。
応募者側にとって利便性が高い
Web面接は、応募者側にもメリットが多い採用方法です。
企業に出向く必要がないため、交通費・宿泊費などのコストがかかりません。パソコンとインターネットさえあれば、時間や場所に縛られずいつでも面接を受けることができます。スケジューリングなども容易に行えるため、スキマ時間などを効率的に利用することも可能です。
自宅などリラックスできる場所を利用すれば、適度な緊張感をもって面接に臨むことができます。
Web面接導入のデメリット
非対面コミュニケーションは慣れないと難しい
Web面接は慣れていないと応募者と適切なコミュニケーションが取れなくなります。
例えば、電話面接は相手の声しか聞こえないため、表情の微妙な変化などを読み取ることができません。「目は口ほどにものを言う」という言葉もあるように、非言語コミュニケーションの方が重要なことは多いです。
ビデオ通話の場合は確かに顔を合わせることができるため、電話面接よりは非言語コミュニケーションが取りやすくなります。しかしビデオ通話を利用するにしても、画質が悪く表情が読み取りにくくなったり、一方の環境が騒がしかったりすると、満足なコミュニケーションは難しくなります。
通信面トラブルが起こる可能性がある
Web面接で使うパソコンやインターネットなどに何らかの不具合が起こった場合は、面接を中断しなくてはなりません。特に、回線自体に問題があると、後日面接をし直すということもあるので注意してください。
また、採用側は操作ミスなどがないように、事前の研修体制を整えておくことが大切です。適度な緊張感を保つためにも、想定されるトラブルは社員全員で共有しておきましょう。
Web面接のメリットとデメリットとは|ひと目でわかる解説!|ITトレンド
WEB面接(オンライン面接・リモート面接)を行うメリットは、
・間口を広げることで優秀な人材発掘に繋がる
・面接の精度を上げることでミスマッチを減らせる
・現場のコストを減らすことで効率化が図れる
・動画共有することで面接を仕組化できる
・応募者側にとって利便性が高い
一方、WEB面接(オンライン面接・リモート面接)を行うデメリットは、
・非対面コミュニケーションは慣れないと難しい
・通信面トラブルが起こる可能性がある
こうして見ると、メリットの方が多いように感じますね。
WEB面接(オンライン面接・リモート面接)の注意点
では、WEB面接(オンライン面接・リモート面接)を行う上で注意すべき点はどのようなところでしょうか?
企業がWeb面接を使用する際に注意すべき8つのポイント
Web面接を成功させるには、対面ではないからこそ採用担当者が気をつけなければいけないポイントがあります。
Web面接は多くの企業担当者にとって未知のもの。そのため、以下で紹介する通信環境の整備や、今までの面接方法との違いを踏まえたマニュアル作りなど、導入にはある程度の下準備が必要です。
面接前
通信環境を整え、ラグや接続不良を防ぐ
Web面接において接続の安定性はとても重要です。安定性が低いと面接中の映像・音声の遅延を招く可能性が高くなります。
映像や音声の乱れは相互のストレスになりますし、求職者の回答を上手く聴き取れなかったり相手に質問が正確に届かなかったりというコミュニケーションの阻害にも繋がるでしょう。
それらの理由が重なり求職者の応募意欲を下げてしまう原因にもなりかねません。面接は自社の良い印象を与える重要な機会でもあるため、注意する必要があります。
接続不良や遅延の可能性を少しでも抑えたいという方は有料版のWeb面接システムを利用することをおすすめします。
(中略)
周囲の雑音が入らない環境で行う
面接者と求職者以外の音や声は意思疎通の邪魔となり、双方のストレスになることから、Web面接ではできる限り「雑音」が入り込まない環境が望ましいです。
例えば、デスクやオープンスペースでWeb面接を行う場合、環境音だけではなく、人の声もノイズとなります。できるだけ無音の環境で面接を行うように心がけましょう。
しかし、周囲の音を完全に遮断した場所を準備するのは難しい時も多々あるのではないでしょうか。
そういった方におすすめなのがヘッドセットの利用です。ヘッドセットには周囲のノイズを軽減し、クリアな音声での会話をサポートしてくれるメリットもあるためより良いWeb面接にも繋がるでしょう。
機密情報が漏れない環境を整える
面接時に会社の書類や社外秘情報が漏れてしまう物が映りこんでしまうことは大変危険です。
周囲の人によって情報が映像に入り込むリスクも考えられるため、情報漏えいの観点から、自社の会議室で面接を行うことを推奨します。また、面接の内容を周囲に聞かれることを避けられる他、求職者の個人情報保護の面でも有効です。
(中略)
デバイスを固定してカメラ位置・角度を合わせる
ノートパソコンやスマートフォン、タブレット端末でWeb面接に参加するときは、画面を出来るだけ自分の目線の高さになるよう固定しましょう。
目線よりも低い位置にカメラを設置すると応募者の画面を見下ろしているように映り、相手に威圧感を与えてしまう可能性があります。面接担当者の印象はそのまま自社への印象にも繋がるので悪い印象を与えてしまうのは避けたいところです。
デバイスの高さを固定した後は映像を確認して背景や明るさを確認しましょう。顔が暗くと印象まで映る悪くなります。事前に自身の顔にしっかりと光が当たるかを確認すると良いでしょう。
使用するパソコンにカメラが搭載されていない場合は外付けのWebカメラの使用が必要です。また、今よりも良い画質に変えることで求職者により表情を明確に伝え面接を行いたい時にもおすすめします。
複数の面接官が1カ所に集まって行うWeb面接では、音声と映像に注意する
1カ所から複数人でWeb面接を行う場合には、大きく分けて2つの注意点があります。
1つ目は面接官の人数、配置に合わせて映像の角度大きさを調整することです。
(中略)
事前にツールの使い方を確認しておく
初めてWeb会議やWeb面接を行う場合や不慣れな方はWeb面接で扱うツールの使い方を事前によく確認しておく必要があります。事前に使い方のチェックをしないまま面接に臨むと、思わぬトラブルが発生し、求職者を混乱させることになってしまうかもしれません。
対面とは違い、Web面接の開始、および終了のサインとなるのは「ログイン」と「ログアウト」です。会議室へ入室・退室することが開始と終了の合図になる対面面接とは、作法が異なっています。そのため、ツールの使い方や基本機能を適切に使えるようになっておくとスムーズでしょう。
面接時
声に抑揚をつけてハッキリと話す
映像を通してのコミュニケーションは、お互いの会話のテンポや熱量を掴みにくくなります。映像や音声の遅延も起こりうるため口早に返答すると相手と音声が被ってしまうこともあります。
Web面接では相手との会話のタイムラグがあることを想定してゆっくり間を置いてコミュニケーションを取ると良いでしょう。
また、ヘッドセットを利用していない場合はパソコンが音声をしっかりと拾えていない場合もあるため、声に抑揚をつけてはっきりと発声することが望ましいです。
雑音を拾わないように注意する
最近のデバイスは音声収集機能にも優れており、周囲の音や近くの人々の話し声、またキーボードを叩く音さえも拾ってしまいます。
そのため、できるだけ周囲の雑音が起こりにくい場所で自身も必要以上の音を立てないように注意しましょう。例えば、応募者からヒアリングした内容を、必要以上にパソコンでメモすることは避けた方が良いかもしれません。
しかしながら、周囲の雑音が面接中に急に大きくなる場合や求職者の情報を後で見返すためにもメモを取りたい方も多いと思います。また、そういった状況で事前にヘッドセットを用意していない場合もあるでしょう。
(中略)
面接後
接続不良で上手く面接ができなかった場合は、求職者にアフターフォローを
とはいえ、予期せぬトラブルによって、Web面接がうまくできずに終わってしまう場合も時にはあるかもしれません。このような際には、必ず求職者へメールやメッセージを送るなどのアフターフォローを行いましょう。
例えば、もし求職者が優秀な人材であれば、再度Web面接への参加を要請するなどの対策が考えられます。そのためにメールの文面や調整日程などをあらかじめ考えておくと、スムーズに採用活動が進むでしょう。
Web面接を成功に導く7つの注意点!導入プロセスと欠かせないツールを紹介|テレワークナビ
WEB面接(オンライン面接・リモート面接)を行う上で、面接前に注意すべき点は、
・通信環境を整え、ラグや接続不良を防ぐ
・周囲の雑音が入らない環境で行う
・機密情報が漏れない環境を整える
・デバイスを固定してカメラ位置・角度を合わせる
・複数の面接官が1カ所に集まって行うWeb面接では、音声と映像に注意する
・事前にツールの使い方を確認しておく
面接時に注意すべき点は、
・声に抑揚をつけてハッキリと話す
・雑音を拾わないように注意する
面接後に注意すべき点は、
・接続不良で上手く面接ができなかった場合は、求職者にアフターフォローを
とのこと(ポイントが9つある気がしますが)。
これらのポイントに注意してWEB面接(オンライン面接・リモート面接)の準備を行うと良いでしょう。
人材採用はWEB面接(オンライン面接・リモート面接)でも問題ない?
一見便利でメリットだらけにも思えるWEB面接(オンライン面接・リモート面接)での人材採用ですが、本当にすべてをWEB面接(オンライン面接・リモート面接)で済ませて良いのでしょうか?
すべての会議をリモートにする。
採用面接をテレビ会議で済ませる。
これは本当にやっちゃいけないこと。
特に採用面接なんて、本当に会わなきゃ絶対わからない。
会ってもまだわからないくらい。
これを痛感しています。
重要なことを伝えるのも、全く同じで、ラインで済ませるなんてやっちゃだめ。
解釈がまちまちになってしまう。
重要でないと解釈されてしまうのです。
「本当に重要なこと」は発する言葉だけでは伝わらない。
ニュアンス。表情。視線。
全部通して、伝えるものなのだ。
全部オンラインは、文明の逆行。
リアルに会う。
これが逆に重要さを増す時代。
オンラインですんじゃうものこそ、逆に要らない会議だったってだけ。
それこそ、メールで充分だったってこと。
極端な会議削減は、業績を悪くする。
本当に大事なことは、会わなきゃ伝わらない。コロナが滅ぼしたのは「不要な会議」だけだった。|どや顔社長 後藤専のブログ
後藤さんが書いているように、コミュニケーションは映像と音声という単純なものではありません。画面上では伝わり切らないやり取りが、対面するリアルなコミュニケーションにはあるわけです。
特に人材採用は、採用される側の求職者の人生も、採用する側の企業の未来も左右する重要なことです。「便利で低コストだから」という理由でWEB面接(オンライン面接・リモート面接)を行うのはナンセンスでしょう。人と人ですから、相性もありますしね。それは、WEB面接(オンライン面接・リモート面接)だけでは判断できないと思います。すべてをオンライン化するのではなく、オンラインとオフライン(リアル)を使い分けた方が良いですね。