連日のようにニュースサイトで取り上げられる「ビットコイン高騰」のニュース。2016~2017年頃のブーム時と比べると、やや普及してきた感のある仮想通貨(暗号資産)ですが、今でも多くの誤解があります。今回は、そのなかでも特に多い3つの誤解についてご紹介します。
仮想通貨(暗号資産)に多い誤解① 「1BTC」単位でしか投資できない?
仮想通貨(暗号資産)には、「通貨単位」と呼ばれる記号があります。
ビットコインはBTC、ビットコインキャッシュはBCH、イーサリアムはETH、ライトコインはLTC、リップルはXRP……などが通貨単位です。法定通貨でも、円、ドル、ユーロなどがありますが、これと同じです。
仮想通貨(暗号資産)投資は、株式投資に似ていると言われることがあります。会社の将来性・成長性を見極めて株の銘柄を選ぶという点が、個別の仮想通貨(暗号資産)の将来性・成長性を見極めてコインの種類(銘柄)を選ぶことと似ているからでしょう。
そのためか、「0.5株だけ買うなんてことは株式投資ではできないから、仮想通貨(暗号資産)も1通貨単位からじゃないと投資できないと思っていた」「1BTC買おうと思ったんだけど、資金が足りなくて買うタイミングを逃した」という勘違いを聞くことがあります。
実際には、0.001BTCからでも買うことができます。仮想通貨(暗号資産)取引所によって、下限取引額が決まっていることもありますが、少額からでも投資を始められるのが仮想通貨(暗号資産)投資です。
仮想通貨(暗号資産)に多い誤解② 仮想通貨(暗号資産)取引所は証券取引所と同じくらい社会的信用が高い?
仮想通貨(暗号資産)取引所は、日本では「仮想通貨交換業者」と呼ばれ、ライセンスを得るためには金融庁の認可が必要になっています。
ただし、認可制になった後も、2018年のコインチェック、Zaif、2019年のビットポイントなどの仮想通貨(暗号資産)取引所でハッキング事件は起きています。そのため、「金融庁の認可を取っているから、この仮想通貨(暗号資産)取引所は100%安心」とはまだまだ言えません。
仮想通貨(暗号資産)は誕生してからまだ10年少ししか経っていませんから、存在自体が草創期であるとも言えます。それに、ハッカーの世界は日進月歩。セキュリティの向上は欠かせません。
まだ発展途上にあるのが仮想通貨(暗号資産)ですので、仮想通貨(暗号資産)取引所も、それを監理する金融庁も、ハッキングや不正を防ぐ十分な仕組みやルールづくりができているわけではないでしょう。
そのため、「仮想通貨(暗号資産)取引所は、証券取引所と同じくらい社会的信用がある」「金融庁から認可を受けた仮想通貨(暗号資産)取引所で取り扱っている仮想通貨(暗号資産)は安全」と考えるのは安易です。
海外の仮想通貨(暗号資産)取引所であれば、ライセンスを取るという決まりがない国もありますし、マッチングサイトさえ作ればすぐに仮想通貨(暗号資産)取引所を始めることさえできてしまいます。
仮想通貨(暗号資産)取引所で取り扱う仮想通貨(暗号資産)の決め方も、「お金を払えば取り扱う(取引所に上場できる)」というずさんなところもあります。
仮想通貨(暗号資産)で言われる「上場」は、株式市場・証券取引所における「上場」「IPO」とは意味も価値も全く違いますので、注意が必要です。
仮想通貨(暗号資産)に多い誤解③ 仮想通貨(暗号資産)の使い道は利殖・投機だけ?
仮想通貨(暗号資産)というと「あぁ、怪しいお金儲けの話ね……」というイメージがまだ根強いのですが、決済・支払いで利用できるお店、オンラインショップなどが増えてきています。
日本でビットコイン決済を利用できるお店としては、ビックカメラやコジマ、メガネスーパーなどが有名です。他にもカフェ、レストラン、クリニックなどで、仮想通貨(暗号資産)決済・ビットコイン決済が利用できます。
「ビットコイン決済対応店舗」などで検索すると、たくさん情報が出てきますので調べてみてください。近所にも仮想通貨(暗号資産)決済できるお店があるかもしれません。
決済・支払い以外の使い道として、海外送金や国内送金(振込)の代わりに仮想通貨(暗号資産)で送金し合うことも可能です。同じ仮想通貨(暗号資産)同士の送金であれば、手数料も安く済みますし、送金スピードも速いので便利です。
「今日は財布に現金がほとんど入ってなかった。銀行ATMは時間外で手数料がかかるし、下ろしに行くのも面倒。割り勘をするには現金じゃないと……」というときでも、仮想通貨(暗号資産)であれば「今1BCHは7万円だから、0.05BCH(3,500円分)送るね」とスマホで友人に送ることができます。
また、ネム(NEM)にはコアなファンが多く、ネム決済が利用できるフリーマーケットやバーをオープンするなど、ネム普及のための活動を積極的に行っている人もいます。ビットコインやネムのように、ホルダーやファンたちが勝手にいろいろなことを考えて仮想通貨(暗号資産)の可能性を広めていける点も、仮想通貨(暗号資産)の醍醐味であると言えるかもしれません。