令和3年8月から特例的な要件緩和・拡充を行います。(2021.7.27)
厚生労働省は、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃 金(事業場内最低賃金)の引き上げを図るため、「業務改善助成金」制度を設けています。 このたび、新型コロナウイルス感染症の影響により、特に業況が厳しい中小企業・小規模事業者に対して、8月1日から、対象人数の拡大や助成上限額の引き上げを行います。また、助成対象となる設備投資の範囲の拡大や、45円コースの新設・同一年度内の複数回申請を可能にするなど、使い勝手の向上を図ります。
厚生労働省 解説動画
業務改善助成金とは
生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げた中小企業・小規模事業者に対して、その設備投資など(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)にかかった経費の一部を助成します。
申請締め切りと事業完了期限
申請締め切り:2022年1月31日
(予算の範囲内で交付するため、申請期間内に募集を終了する場合があります。)
事業完了期限:2022年3月31日
コース概要(8月追加)
対象人数の拡大・助成上限額引上げ
最大「10人以上」のメニューを増設し、助成上限額を450万円から600万円へ拡大。
45円コースの新設
現行で最も活用されている30円と60円の中間に45円コースを増設。選択肢を増やすことで使い勝手が向上。
(※1)10人以上の上限額区分は、以下のいずれかに該当する事業場が対象となります。
1.賃金要件:事業場内最低賃金900円未満の事業場
2.生産量要件:売上高や生産量などの事業活動を示す指標の直近3ヶ月間の月平均値が前年又は前々年の同じ月に比べて、30%以上減少している事業者
(※2)ここでいう「生産性」とは、企業の決算書類から算出した、労働者1人当たりの付加価値を指します。助成金の支給申請時の直近の決算書類に基づく生産性と、その3年度前の決算書類に基づく生産性を比較し、伸び率が一定水準を超えている場合等に、加算して支給されます。
その他の8月変更点
◆ PC、スマホ、タブレットの新規購入、貨物自動車なども生産性向上の効果が認められる場合は対象になります。 ※特例のうち、2生産量要件に該当する場合であって、引上げ額30円以上の場合に限ります。
◆ 同一年度内に複数回(2回まで)申請することができます。
支給の要件
- 賃金引上計画を策定すること
事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる(就業規則等に規定) - 引上げ後の賃金額を支払うこと
- 生産性向上に資する機器・設備などを導入することにより業務改善を行い、その費用を支払うこと
( (1) 単なる経費削減のための経費、 (2) 職場環境を改善するための経費、 (3)通常の事業活動に伴う経費などは除きます。) - 解雇、賃金引下げ等の不交付事由がないこと など
その他、申請に当たって必要な書類があります。
生産性向上に資する設備・機器の導入例
- OSレジシステム導入による在庫管理の短縮
- リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
- 顧客・在庫・帳票管理システムの導入による業務の効率化
- 専門家による業務フロー見直しによる顧客回転率の向上 など
生産性要件
生産性を向上させた企業が業務改善助成金を利用する場合、その助成率を割増します。
生産量要件
新型コロナウイルス感染症の影響により、生産量(額)又は売上高等の事業活動を示す指標の最近3ヶ月間の平均値が、前年又は前々年同期に比べ、30%以上減少している事業者は賃金を引き上げる労働者数「10人以上」の助成上限額を適用することができます。
※上限額の特例は事業場内最低賃金900円未満の場合も対象となります。
また、引上げ額を30円以上とする場合は、以下の通り、生産性向上に資する自動車やパソコン等を補助対象として申請することができます。
- 乗車定員11人以上の自動車及び貨物自動車等
- パソコン、スマホ、タブレット等の端末及び周辺機器(新規導入に限る)
生産量要件に係る特例を適用する場合、事業活動の状況に関する申出書の提出が必要です。