社外役員としてさまざまな会社の経営者と接し、一緒に成功を目指す喜びを感じる……。
そんなハッピーな50代=「人生の後半戦」を過ごすために必要なのは、実は40代のうちに行なうべき「棚おろし」だ!
自分の人生の後半戦……あなたは何をする?
日本経済新聞の「働き方進化論」という連載が面白いです。先日紹介した東大大学院教授の柳川範之氏の言葉が、10月31日付けの紙面に掲載されていました。以下記事から引用します。
『40歳定年』の最大のポイントは長い人生の中で一度立ち止まって、学び直しやスキルアップのための時間を作ることにある。ここ数年、『学び直し』や『リカレント教育』という言葉が浸透してきたのは望ましい変化だが、ロールモデルもまだ少なく、40歳でのキャリアチェンジに踏み切れる人はわずかだ
2019年10月31日付 日本経済新聞 「働き方進化論」柳川範之氏
長い人生、その途中で自分のキャリアや持っているスキルを見直すことはとても大事です。
私が自分のキャリアを見直した……つまり「棚おろし」の作業をしたのは、12年前の44歳の時。世の中にソーシャルメディアが普及しはじめたタイミングでした。「ネットを活用し自分で情報発信する人が増えれば、マスメディアのパワーは落ちる」という仮説のもと、広告会社勤めに自分の人生の後半戦を賭けることは、リスクが高いと考えました。
その頃はちょうどお酒をやめたタイミングで、私には多くの時間がありました。
大量読書を心がけ、良いと思った本に書かれた著者の行動を真似ることにしました。
この「行動する読書」を続けるうちに、結果を出せるようになったのです。
朝の読書会を主宰し、著者を呼ぶイベントを定期開催したり、USTREAMで著者インタビューを繰り返すうちに、私自身の出版のオファーをいただけました。
著者となり、自身のパーソナルブランディングを続けるうちに、無事に広告会社をやめることができました。現在はさまざまな企業の社外取締役、アドバイザリーとして、楽しく働きながら人生の後半戦過ごしています。
自分自身の「棚おろし」は40代のうちに
テクノロジーが進化し、AIやロボティクスが普及することで、働き方はどんどん変わっています。人生100年時代、「ひとつの会社で一生働く」ということは難しくなっています。
50歳、60歳になってからようやくセカンドキャリアを考え、転職を考えるのではなく、自分の人生を棚おろしするタイミングを〝40代〟で持つのは、私の経験上からも、良いことだと思います。未来の自分をイメージしながら、自分の強みと足りないことや学びたいことを書き出してみるのです。
今自分が持っているスキルを磨きながら、新たなスキルを取り入れ、掛け合わせることで、「新しい自分」を作り出すことができます。あとは自分のやりたいことを宣言し、しっかり情報発信することを心がければ、誰かが必ず見つけてくれます。
私は40代の時に、マーケティングスキルやソーシャルメディアでの発信力というスキルを高めました。そして社外取締役として働くうちに、経営者の課題を見つけ、解決する方法を学びました。この経験とマーケティングのスキルを掛け合わせることで、社長から喜んでいただけるようになりました。
社長から感謝される存在になることを目標に今は日々楽しく働いています。「感謝」と「収入」の両方を得られる仕事が50代でできるようになったのも、あの12年前の棚卸しと決断があったからだと、過去の自分に感謝しています。