アーリーリタイア・セミリタイアの失敗例

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「アーリーリタイア」や「セミリタイア」という言葉の響きに憧れる経営者の方も少なくないようです。若いときはガムシャラに働いても良いかもしれませんが、50代、60代と年齢を重ねていくと「もう少しゆっくりしたいな」と思うようになるのが人間。ただし、アーリーリタイア・セミリタイアして後悔する人もいます。今回は、アーリーリタイア・セミリタイアの失敗例をご紹介します。

アーリーリタイアは孤独との戦い?

アーリーリタイアとセミリタイアの違いについては、『アーリーリタイアやセミリタイアは本当に幸せなのか? リタイア生活をリタイアする人たち』で、アーリーリタイアするのに必要な資金については、『アーリーリタイアのメリットとデメリット アーリーリタイアの必要資金とは』でご紹介していますので、ご興味があれば読んでみてください。

アーリーリタイアは、いわゆる早期退職のことです。

「リタイア後は、悠々自適な生活を」

という希望を持っている方もいらっしゃるでしょう。

経営者として日々戦っているわけですから、悠々自適な生活に憧れるのも理解できます。しかし、完全にリタイアすると待っているのは「孤独との戦い」です。

不動産投資で安定収入を得ることに成功し、さらに本業の人材事業を売却したAさんは50代のうちにアーリーリタイアしました。リタイア生活を開始して3ヶ月程度は悠々自適な日々を楽しんでいましたが、その後はやりたいことがなくなり、「何にもしない毎日を送りながらも、何かしないといけないと感じる自分との葛藤が始まった」と語っています。アーリーリタイアして失敗だったと感じるのは、「他人と関わる機会が減ってしまったこと」だと言います。

セミリタイアして後悔したこと

Bさんは30代でフランチャイズ加盟してマッサージ事業を始め、軌道に乗った事業を売却して40代後半でセミリタイア生活を開始しました。ただし、週の1~2日ほどは友人の会社を手伝っています。事業の売却益は約5,000万円で、悠々自適な生活を送るには決して余裕のある貯蓄ではありません。

株式投資の配当もありましたが、思うように配当が得られなくなり、リタイアして3年もすると貯金を切り崩しながらセミリタイア生活を送るようになってしまいました。セミリタイア生活は継続しているものの、資産運用の不調と貯金が減り続ける不安がストレスになっています。かと言って、セミリタイア生活に慣れてしまったため、また起業するというエネルギーまでは湧かないようです。

アーリーリタイアで失敗…もう戻れない

Cさんは、飲食業を売却したことで得た利益によってアーリーリタイアを実現しました。完全リタイア生活を始めてから5年が経ち、「アーリーリタイアをしたのは失敗だった」と後悔しています。

・貯蓄はあるが、収入がなくなったことが猛烈に不安になった

・衝動的な無駄遣いを辞められない

・健康問題が発生し予期せぬ支出があった

・社会的な信用がなくなった

など、不安が日に日に増しているようです。

「適度な仕事、適度な社会的役割、適度な交流は必要」とCさんは寂し気に語ります。また仕事をしたいという気持ちはあるものの、飲食店をしていた頃の激務がトラウマになっているのか、Bさん同様また起業するというエネルギーまでは湧かないようです。

憧れのアーリーリタイア・セミリタイア生活も、実現してみると後悔の念が強まることがあります。Cさんが言うように、「適度な仕事、適度な社会的役割、適度な交流は必要」なのでしょう。大きな売却益を得るとそのときは嬉しいかもしれませんが、あくまでも瞬間的な喜びですからね。

この記事を書いた人
中島 宏明

2012年より、大手人材会社のアウトソーシングプロジェクトに参加。プロジェクトが軌道に乗ったことから2014年に独立し、その後は主にフリーランスとして活動中。

2014年、一時インドネシア・バリ島へ移住し、その前後から仮想通貨投資、不動産投資、事業投資を始める。現在は、複数の会社の顧問・経営戦略チームの一員を務めるほか、バリ島ではアパート開発と運営を行っている。

マイナビニュースでは、仮想通貨に関する記事を連載中。
https://news.mynavi.jp/series/cryptocurrency

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