コロナショック以前から、日本衰退論はさまざまな人たちが語っています。「オリンピック後に不況が来る」「日本は衰退途上国である」「ゆでガエル状態だ」などの論調は、多くのニュースサイトや番組、学会で語られてきました。では、日本が先進国で在り続けるために、私たちは今なにができるのでしょうか。
凋落する先進国たち
日本だけが衰退途上国なのではありません。憧憬の念を抱いている日本人も多いであろうヨーロッパの国々も、すでに凋落段階に入っていると言えます。例えば、フランスもその一つです。
フランスでは、製造業はほとんどなくなり、先端技術は多少ありますが、国民の多くを養える規模の産業ではありません。国家プロジェクトとして、コンコルドや原子力発電、高速鉄道TGVなどがありますが、数えられるほどです。そして、フランスの国民性として怠惰があります。もちろん性格は人それぞれですから「国民性」とひとくくりにはできませんが、マクロで見るとやはり怠惰です。
日本に希望はないのか
では、日本はどうでしょうか。日本人の国民性というと、勤勉や真面目さが挙げられるかもしれません。しかし、それも過去のことか都市伝説になりつつあります。勤勉なフリや真面目なフリをするのが得意なだけで、実態はそうでもないのかもしれませんよね。過去の栄光にしがみついていたり、プライドだけが高いのでは、日本は衰退するばかりです。
しかし、他の先進国に比べて、日本は技術やアイデアがたくさんある宝庫です。それらを世界の市場で売れば、日本は先進国で在り続けることができるでしょう。
例えば、WeWorkのようなシェアオフィスには有望なベンチャー・スタートアップ企業が集まっています。オシャレなシェアオフィスを見ると、「意識高い系起業家ね」と感じるかもしれませんが、彼ら彼女らと交流してみてください。熱意に溢れ、ビジョンやミッションの実現のために日々行動している起業家たちです。
不満や不安を垂れ流すだけで行動すらしない人たちに、一体なにが言えるのでしょうか。挑戦すらできない人は、挑戦している人になにも言えません。
ビジネスでは「足るを知る」を捨てよう
日本で感じるある種の停滞感は、「足るを知る」文化や清貧文化に原因があるのかもしれません。生活や人生においては大切な考え方ですが、ビジネスでは邪魔になります。
私も、日本のベンチャー・スタートアップ企業への投資を勧められることがあります。しかし、日本のベンチャー・スタートアップ企業は日本市場しか見ていない傾向があり、勧誘されても投資したことはありません。
例えば、中国のベンチャー・スタートアップ企業は、中国市場での成功の先に世界市場を視野に入れています。中国国内市場で勝つだけでも、アメリカでのIPOの数倍の成功を意味するわけですが、そこで終わりとは考えていません。
日本が持っている技術やアイデアは、伝統技術も先端技術も世界で評価されるレベルのものでしょう。それらを世界市場に持っていくために必要な資金は、日本国内に十分すぎるくらいあるはずです。
「日本市場で十分である」という足るを知る文化を捨てて、世界市場に出ようではありませんか。