2020年度のふるさと納税の寄付総額は約6725億円と、過去最高になりました。コロナの影響で厳しくなっているであろう懐事情。しかしなぜ今、ふるさと納税に注目が集まっているのでしょうか?
ふるさと納税がコロナ禍に注目される3つの理由
ふるさと納税に注目が集まっている理由は、
「今だけの返礼品」
「内容量が増えた返礼品」
「事業者への支援」
の3つであると、昨年の日経新聞の記事では語られています。
今、ふるさと納税を行うメリットは3つある。1つ目は、平時であれば扱いがなかったはずの返礼品が登場していること。ふるさと納税情報サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク広報の田中絵里香さんは、「外出自粛などを受けて販売量が減少したことをきっかけに、行き場を失った商品をふるさと納税の返礼品として新たに登録している自治体もある」と指摘する。
(中略)
2つ目のメリットは、手ごろな寄付額で手に入るようになった返礼品もあること。「さとふる」の道岡さんによると、「返礼品の内容はそのままに、寄付額を引き下げるなどの工夫をする自治体が4月下旬ごろから増え始めた」。商品の在庫過多や流通価格の下落を受けてのことだ。
(中略)
3つ目のメリットは、自宅に居ながらコロナ禍で苦境に立たされた事業者を支援できること。寄付者が返礼品を受け取れば、提供した事業者に商品相当の金額が支払われる。ふるさと納税を利用することは、各地域の事業者の売り上げ増につながるのだ。
「ふるさとチョイス」や「さとふる」などのふるさと納税情報サイトのトップページでは、新型コロナで特に深刻な打撃を受けている事業者の返礼品のリストを掲載している。例えば、コロナ禍による一斉休校で、売り先がなくなった牛乳を返礼品としている自治体などがピックアップされている。
そうした中から寄付先の自治体を選べば、コロナの影響で売り上げを大きく減らしている事業者を支援をすることも可能。返礼品が不要なら、クラウドファンディング型のふるさと納税で支援することもできる。
1つ目の「今だけの返礼品」や2つ目の「内容量が増えた返礼品」がお目当てというケースも多そうですが、注目したいのは3つ目の「事業者への支援」。
コロナの影響を大きく受けた業界を支援したいという気持ちが表れているのではないでしょうか。
最近は、「コト消費からヒト消費へ変化している」と言われており、体験への消費以上に、人とのつながりへの消費に意識が向けられています。富裕層ほどその傾向がよく表れているとされていますが、事業者に支援にもなるふるさと納税に注目が集まっていることも同様かもしれませんね。
今さら聞きにくい「ふるさと納税」とは
「ふるさと納税って、そもそもなに? 」という方は、こちらの動画を見てみてください。
第71回 ふるさと納税はお得な制度?【お金の勉強 初級編】| 両学長 リベラルアーツ大学
両学長 リベラルアーツ大学のこちらの動画では、
・ふるさと納税とは?
・ふるさと納税はやった方が良いのか?
・ふるさと納税をする際の注意点
・いくらくらい税金が安くなるのか?
・実際に、ふるさと納税を行う手順
・人気の返礼品
などについて解説されています。
さとふるやふるなび、ふるさとチョイスなどのふるさと納税関連サイトが紹介されていますので、どんな返礼品があるのか見てみるのも楽しいかもしれません。
商品カタログのような感覚で、奥様やお子さんと一緒に選んでみるもの楽しいですし、夫婦や家族との会話のきっかけにもなりますよ。
未来チケットよりはふるさと納税の方が良いかも
去年の夏頃は、コロナの影響で経営が悪化した飲食店などを助けるための「未来チケット」がSNSなどで広まっていました。
未来チケットは、言わば「料金の前払い」。
飲食店側から見れば、利益の先食いです。
キャッシュフローを良くするための良いアイディアではありますが、信用や信頼を賭けているようなものですし、詐欺的に悪用する方も増えているのでしょう。
クラウドファンディング同様、仕組み自体は良いと思うのですが、悪用されやすいのでお金を出す側は注意が必要です。
そういった意味では、ふるさと納税に寄付する方が、よく知らないお店の未来チケットを購入するよりは良いと言えます。
一番の応援は、お店に行って食事や買い物をしたり、通販で買えるなら通販で買うことですね。