毎月のように最高値を更新するビットコイン。その他の仮想通貨(暗号資産)も、ビットコインと似た値動きをして市場を盛り上げています。2016~2017年のブーム時とは違った装いを見せるブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)業界ですが、2021年以降はどうなっていくのでしょうか。
2021年のブロックチェーン・仮想通貨(暗号通貨)
今年2021年の ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)業界は、希望的観測も含みますが…
- 大手金融機関や機関投資家の業界参入。ペイパルやスクエアなどによる新規個人投資家の参入によって、特にビットコインの価格は更に上昇
- IPOするアメリカの仮想通貨(暗号資産)取引所「Coinbase」の人気が過熱。これによってこの領域へのVC投資熱が高まる。仮想通貨(暗号資産)取引所や仮想通貨(暗号資産)メーカーのM&Aも増える。
- FacebookのDiemがローンチされ人気になる。ペイパルやスクエアも独自コインを発行。売買だけではなく、国際送金や決済での仮想通貨(暗号資産)利用が高まる。
- DeFi(分散型金融)は規制が入り、大問題になるプロジェクトも出る。DeFi周りでのイノベーションは更に進む。
- DappsやNFTが盛り上がる。
- 多くの金融機関でブロックチェーンの活用が進む。
- 中国のデジタル人民元(DCEP)に続き、多くの国の中央銀行での仮想通貨(暗号資産)発行にむけた準備が進む。
- 日本では新規上場のハードルが高くなり、世界の潮流からますます取り残されていく。
このようになっていくでしょう。2021~2023年頃の短中期的な予測です。
ここでいう「大手金融機関」や「機関投資家」は、読んでいておわかりになると思いますが日本国内ではなく欧米や中国など海外の話です。
NFT(ノン・ファンジブル・トークン)とは
「NFT」という言葉にはあまり馴染みがないかもしれません。NFTとは、Non-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)のことです。
ブロックチェーンはゲームの世界でも活用されていますが、ブロックチェーンを活用したゲームでは、アイテムやキャラクターをトークン化しています。これらのカテゴリーのトークンは、ノン・ファンジブル・トークンと呼ばれています。「ファンジビリティ」は、「代替性」という意味です。例えば、Aさんの持っている1ビットコイン(BTC)とBさんの持っている1ビットコイン(BTC)は、どちらも同じ1ビットコイン(BTC)です。常に同じ1ビットコイン(BTC)であり、この状態を「ファンジブル(代替できるもの)」と言います。
これに対してノン・ファンジブルとは、代替性がないことを前提にしています。そのため、「ゲーム内のアイテムAとアイテムBの価値は違うもので、レアなアイテムは高値で売買される」ということがノン・ファンジブル・トークンによって成立します。
NFTが活用されるのはゲームの世界だけではありません。例えば、「著名人が投稿した初ツイート」「芸術家が制作したデジタルアート」などのような代替性がないものやことをトークン化し、売買する市場も生まれてきています。
Dapps (自律分散型アプリケーション)とは
「Dapps」という言葉もあまり馴染みがないかもしれません。Dappsとは、Decentralized applicationsの略称で、日本語にすると自律分散型アプリケーションという意味になります。「dApps」や「DApps」などと表記されることもありますが、意味は同じです。
Dapps はブロックチェーンを用いたサービスやゲームを提供するアプリケーションの総称で、その特徴は以下の4つです。
- アプリケーションの仕組みがオープンソースであり、ブロックチェーンのテクノロジーを使用していること
- アプリケーションをコントロールする中央管理者は存在せず、分散管理されていること(分散型)
- 自由に価値の交換を行うことのできるトークンの発行と、アプリケーション内にそのトークンの受け渡しを行う仕組みを作ることで、自動的にオペレーションが実行されること
- アプリケーションのアップデートのためにユーザーが合意形成を行う仕組みがあること
ゲーム業界では、ブロックチェーンの特性を活かすことで、複製のできないアイテムを所有したり、仮想空間の土地を売買することで実際に仮想通貨(暗号資産)を稼げるゲームが存在します。Dapps は、仮想空間の所有権や著作権を明確にすることができますから、内閣府が政策として掲げている「ムーンショット目標」などでも活用されるでしょう。