アーリーリタイアのメリットとデメリット アーリーリタイアの必要資金とは

お役立ち記事
この記事は約6分で読めます。

「仕事をリタイアして悠々自適に暮らしたい」「仕事のストレスから解放されたい」…そんな風に、アーリーリタイアに憧れを抱く経営者の方もいらっしゃるかもしれません。アーリーリタイアにはどんなメリットやデメリットがあり、具体的にいくらあればアーリーリタイアできるのでしょうか?

アーリーリタイアとは

「アーリーリタイア」とは、定年を待たずに早期に退職することです。30代、40代からアーリーリタイアを考え始める人もいますが、本気で目指すならば退職に向けた「資金準備」が絶対に必要です。

ところで、アーリーリタイアにも完全に仕事をやめてしまう「完全リタイア」と、早期退職をした後に何らかの形で仕事を続けながらも自由な時間を確保する「セミリタイア」の2種類があります。セミリタイアは人によって必要な準備資金は大きく異なるので、ここでは分かりやすく「完全リタイア」するケースに注目します。

夢のアーリーリタイア、実現するにはいくら必要?|GALA NAVI

アーリーリタイアに近しい言葉で、最近では、「F.I.R.E」というムーブメントもありました。

最近、セミリタイアという選択肢を本気で検討する人が増えてきている。

アメリカでは、「Financial Independence / Retire Early (経済的に自立した早期退職) 」の頭文字をつなげた「F.I.R.E」という言葉が流行し、一大ムーブメントになった。アメリカでは、「F.I.R.E」を実現する目安として、「4%ルール」が注目されている。

「4%ルール」とは、年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費をまかなえるという考え方だ。年間支出が仮に250万円なら、6,250万円の資産を築いて年利4%で運用すれば、理論上は資産を維持したまま生活できるというわけだ。

4%という数字は、米S&P株の成長率7%から、アメリカのインフレ率3%を差し引いて計算されている。米S&P株は対象銘柄が多いことから、投資家が市場全体の動きを把握する時に、よく参考にされる。

日本のインフレ率は、目標を2%と設定しながらも、思うように上昇せず1%に満たない状況が続いている。つまり「4%ルール」を日本版に置き換えるなら、アメリカほどインフレ率を考慮する必要がないため、「5%ルール」もしくは「6%ルール」と言い換えてみよう。

5%から6%の運用益が期待できるとなれば、「年間支出の17~20倍の資産」を築けば、セミリタイアしても生活が成り立つということになる。

セミリタイア (F.I.R.E) するなら知っておきたい資産運用の「4%ルール」とは ?|大和ネクスト銀行

一度、資産を築くと「いかに減らさないか」の方が資産を増やすことよりも重要になります。ですから、F.I.R.Eのようにしっかりと資産運用することが大切ですね。

アーリーリタイアのメリットとデメリット

では、アーリーリタイアにはどんなメリットがあるのでしょうか?

①時間に余裕が生まれる

②仕事をするストレスがない

③自分の好きなことに没頭できる

④年齢に制限があることができる

①時間に余裕が生まれる

アーリーリタイア(早期リタイア)をした場合、仕事に取られていた時間がなくなるため、これまでよりも自由な時間が生まれます。

アーリーリタイアに成功した人の多くは、時間を有意義に使って、本来は仕事をしていた時間で趣味に打ち込んだり、子供達との触れあいにあてたりしています。

②仕事をするストレスがない

いかなる仕事でもストレスはつきものであり、生活の中に仕事という縛りがなくなるだけで、ストレスは激減します。

仕事をしていた時のストレスで体調不良を起こしたり病気になったりする生活から解放されるのも、アーリーリタイアのメリットです。

③自分の好きなことに没頭できる

アーリーリタイアをすると、仕事を理由にこれまでできなかった趣味などを存分に楽しめます。

現代日本において自分の好きなことに没頭できている人は珍しく、アーリーリタイアには人生で貴重な体験が得られるメリットがあるのです。

④年齢に制限があることができる

一般的に人間は日々同じ仕事を繰り返して、自然と年を取っていく生き物です。そのため、年齢制限を理由に、60代などの定年を迎えてからでは実行不可能となってしまうこともあります。

アーリーリタイアすることで、40代や50代のうちにやり残すことなく有意義な生活を楽しめる点は大きなメリットです。

アーリーリタイアとは?成功するポイントや必要な資金・貯金はいくら?|M&A総合研究所

時間に余裕があり、仕事のストレスがなく、好きなことに没頭でき、まだ若いので年齢に制限があることができる。というのは、並べてみると最高ですね。一方で、アーリーリタイアにはどんなデメリットがあるのでしょうか?

①収入源がなくなる

②毎月、確実に資産が減る

③年金額が減る

④世間的な信用を失う

⑤社会的なつながりを失くし孤独になりやすい

①収入源がなくなる

アーリーリタイアでは仕事をしない生活を送ることになるため、当然仕事で得ていた収入がなくなります。

これを原因にアーリーリタイアを諦めてしまう人も多く、収入源がなくなるというデメリットを十分に理解しておかないと、アーリーリタイアのメリットを享受できなくなってしまうため注意が必要です。

②毎月、確実に資産が減る

アーリーリタイアでは仕事を辞めて退職金として受け取ったお金などを資金に暮らしていくため、今までどおりの生活をしていると確実に貯金・資産は減っていき生活資金が足りなくなるおそれがあります。

仕事を収入源とする生活を送る人では問題ないものの、アーリーリタイアでは資産や貯金と綿密に相談しながら実行しなければなりません。

③年金額が減る

年金の支給額は、納めた期間で決まります。アーリーリタイアで仕事を辞めると退職以降は年金を納めないことになるため、老後に支給される年金額が満期まで納めていた人に比べると一般的に減少してしまうのです。

④世間的な信用を失う

ここでいう世間的な信用とは、ローンや信用情報に関わる信用度のことです。

アーリーリタイアにより仕事をしていない人は年金受給者ではないため契約関係で不利になるケースも多く、カードローンや借り入れなどが利用できなくなるおそれがあります。

⑤社会的なつながりを失くし孤独になりやすい

アーリーリタイアに成功すると多くの自由時間を確保できますが、時間を持て余して、むしろ生きがいを失くしてしまう人も少なくありません。自由な時間を持ち過ぎたことを理由に、暇を持て余してしまいがちです。

また、仕事を辞めると社内の人間関係もなくなるため、孤独感に悩まされる人もいます。

アーリーリタイアとは?成功するポイントや必要な資金・貯金はいくら?|M&A総合研究所

当たり前のことですが、肩書や仕事上の人間関係がなくなるので、アーリーリタイアしてから孤独感に襲われる人は少なくありません。

少なからず社会との接点は保っていた方が、より豊かな人生を過ごせるでしょうね。

アーリーリタイアするのに必要な資金はいくら?

では、アーリーリタイアを実現するためには具体的にいくらくらいの資金が必要なのでしょうか?

家族がいる場合に必要な資金・貯金を計算します。総務省統計局の「家計調査 2019年(令和元年)平均」(2020年2月7日公表)によると、1世帯あたり約25万円(249,704円)が年間消費支出の平均値です。

そこで家族がいる場合に、80歳までに必要な資金・貯金を以下にまとめました。

30代→1億2,300万円〜1億5,000万円

40代→9,300万円〜1億2,000万円

50代→6,300万円〜9,000万円

もちろん上記よりも少ない金額で生活できる人もいるため、自身の生活・支出のバランスに合わせて試算表を作成しながら、細かく計算してみると良いでしょう。

アーリーリタイアとは?成功するポイントや必要な資金・貯金はいくら?|M&A総合研究所

1億円くらいの現金を用意して年4%で運用すれば年400万円の収入が得られますから、贅沢はできませんがそれなりのアーリーリタイア生活は送れるかもしれませんね。
アーリーリタイアが気になる方は、良かったら『アーリーリタイアやセミリタイアは本当に幸せなのか? リタイア生活をリタイアする人たち』も読んでみてください。

タイトルとURLをコピーしました