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資金繰りと資金繰り表とは 倒産を回避するためのポイント

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知らないと恥ずかしい「資金繰り」とは 厳しい資金繰りからどう抜け出す?』でご紹介したように、資金繰りは経営者にとって重要な経営課題のひとつです。そんな経営課題を解消・軽減するためには、「資金繰り表」をしっかりと作っておく必要があります。本稿では、資金繰り表についてご紹介します。

資金繰り表とは

資金繰り表とは、現金収支をまとめた表になります。 … 資金繰り表は、一定の区分、科目に基づき、一定期間のすべての現金収入と現金支出を分類・集計し、現金収支の動きや現金過不足の実態などを把握できるような表のことです。 資金繰り表を日々作成することで、資金不足となる状況を予測することができます。

資金繰り表って何ですか?また、どのようにして作成するのですか?|J-Net21

資金繰り表とは、上記のとおり現金収支をまとめた表のこと。その月にいくらの支出があり、いくらの収入があるのか。家賃、人件費、広告費、借入の返済、税金の支払いなどの支出と現金売上、売掛金の回収などの収入をエクセルシートなどにまとめて作成します。

資金繰り表は、コンサバ(保守的)にみて作る

と表現されるように、支出は考えられる限り大きく見積もり、収入は考えられる限り小さく見積もって作成しておくと安心感が増すかもしれません。

資金繰りはなぜ必要か

会社経営においては、取引先などの外部の経営環境が変化することは珍しくありません。つまりどの会社でも、ある日当然資金不足に陥ってしまう可能性があるということになります。

資金が不足すれば、人件費や地代家賃といった経費の支払もできなくなります。仕入をすることができなくなりますし、借入金の返済をすることができなくなります。

金融機関や取引先は、いつまでも返済を待ってくれませんので、返済が不能であれば会社は倒産してしまいます。

このような状況を回避するためには、日頃から収入と支出を把握し資金の流れを継続的に管理して、不測の事態に備えることが大切です。資金繰り表で資金管理を行うことで、資金繰りの状況をすぐに把握することができるようになるので、必要に応じて資金調達を行うなど迅速な対応が可能となります。

資金繰りの調整とは

事業を行ううえでは、売上代金を回収する前に、原材料の支払や人件費の支払いなど、経費の払い期限が先になる状況が多くあります。

そのため、資金繰り表を利用して、売上代金の回収時期とさまざまな経費の支払時期を考慮し、資金繰りが不足しないように調整することが必要です。

資金不足を解消するためには、売上代金の回収時期をなるべく早くして、経費の支払時期を遅くすることなどの工夫が必要ですが、現実的には取引先との関係上から、回収時期や支払時期を変更するのは難しいのが実情です。

支払を先にしなければならない場合には一時的に資金不足になりますので、必要資金を調達しなければならなくなります。

そこで、必要資金を調達する前には資金繰りを常に把握し、迅速かつ適切な対応を行うことが重要となるのです。

利益が出ていても資金は不足する

事業を行ううえでは、会計上で利益が出ていても、資金が不足することがあります。

たとえば、取引先に商品を納品する場合、売買契約がまとまって商品を納品し相手が代金支払うことの意思を示せばその時点で売上が計上されますが、実際に入金されるまではタイムラグがあります。

これは、会計上利益の算定が入金の有無に関係なく、売上を計上する考え方で、実際の資金の回収および支払いの時期が相違するからです。

資金繰り表とは?どのように作成するのか解説|経理COMPASS

上記のとおり、利益が出ていても資金が不足することはありますし、黒字倒産も起こり得ます。経営者は普段から、「お金の流れ」を把握しておく必要がありますね。

資金繰り表の作り方

資金繰り表の書き方

資金繰り表を作成するためには、過去の実績を示す資金繰り実績表をもとにして作成することになります。

中小企業では、資金繰り表を作成している会社はあまりありませんが、資金繰り表を作成することで、自社の経営状況を把握し今後の経営改善のために活用することができるので、ぜひ作成することをおすすめします。

(1)売上見積もり

資金繰り表は、過去の実績をもとに現在から将来への月次の資金繰り予想をまとめたものです。したがってまず行うべきことは、いかに「売上」をより正しく予想することです。売上予想を立てるのは難しいことではありますが、過去の実績や今後の予算をもとに可能な限り正確な数値を記入しましょう。この時、目標売上だけを見るのではなく、過去の実績を考慮して見積もる方が、より実態に合った数値となります。

(2)経常収入の見積もり

売上の見積もりを行ったら、次に、その見積もりをもとにして売掛金から現金での回収予測を行います。売掛金の回収については、取引先ごとに取引条件が違いますので、取引先ごとの回収条件に合わせて、いつ回収されるのか、期日はどうなっているのかという点を考慮しながら見積もります。

過去の売上、売掛金から現金回収の実績額を活用して、売上予測に対する現金回収額を見積もると、効率的です。

(3)経常支出の見積もり

売上に連動して発生する変動費については、過去の実績をもとにして、売上に連動する比率から算出します。給料など固定的に発生する経費については、売上同様目標歴を達成するために設定された経費を予測します。

税金は、支払予定月に資金の支出として組み込みます。

法人税や住民税は、利益に連動して変動することになりますので、納税予定額を見積もったうえで、組み込むようにしましょう。

(4)経常外収支の見積もり

経常外収支の経常外収入および経常外収出の大半は、金融機関ならの借入と返済です。

金融機関からの借入は、本来の営業活動で得る利益ではないので、経常外収支に含めます。まず現在の借入金残高を金融機関ごとにまとめ、月々の返済額をまとめます。

新規に借入れを行う場合には、資金の不足額が予測できる範囲内で資金繰り予定表に記入します。

資金繰り表とは?どのように作成するのか解説|経理COMPASS

まだ資金繰り表を作ったことがないという場合は、すぐにでも資金繰り実績表の作成をオススメします。経営の問題点を数字で把握することができますし、経営者にしかできない「経営方針を決める」「経営方針を変える」という決断もしやすくなるはずです。

倒産を回避するための資金繰り

資金繰りが苦しくなる原因は、主に以下の3点があげられます。

売上があがっていたとしても、回収条件が長期に渡っていたり、期日が遅い受取手形での回収となっていたり、現金化できるのが数ヶ月先になってしまっている。

借入金の返済に充てるなど、帳簿上は費用として計上されない現金の支出が多くなっている。

当初決めていた売掛金回収の条件が長期に変更されたり、買掛金の支払期間が短くなり支払い期間が早まったり、売掛金回収と買掛金支払いのバランスが崩れてしまう。

黒字倒産を防ぎ、資金繰りをうまく行うため、借入なども含めて運転資金にゆとりを持って経営することが肝要です。

(中略)

資金繰りで注意する3つのチェックポイント

1.現金預金など手元資金を充実させる

金融機関による中小企業への融資は条件など厳しい場合もありますので、できる限り手元資金を充実させるための準備をしておいた方が良いです。

他の資金調達や銀行借入が可能であれば、それらの方法で現金預金を充実させるのも一つのやり方です。

2.事前に対応できるように3〜6ヶ月分のキャッシュフロー予測を行う

経営者として判断しやすいように、少なくとも3ヶ月先、長ければ6ヵ月先のキャッシュフローの予測を行い、資金繰り表にまとめましょう。

常に予測と実績を照らし合わせて分析し、営業活動・財務活動の円滑な運営が行えるように備えておくべきです。

3.回収期間は早く、支払い期間は長くするように交渉する

最初に不利な条件で契約をしてしまうと、そのままの条件で続いてしまうので、最初にできるだけ回収期間は早く、支払い期間は長くするように交渉して資金繰りを楽にしましょう。

途中で変更が可能な場合は、良い条件で取引できるように交渉して資金繰りが楽にすることが大切です。

資金繰り表とは?黒字倒産を防ぐための作り方|京都ミライズ税理士法人

黒字倒産を回避するための資金繰りはシンプルで、「キャッシュの確保・温存」「資金繰りの予測」「回収は早く、支払いは遅く」の3つがポイントです。

借換によって金利が下がれば、その分の現金を温存することができます。経費を見直してコスト削減するのも良いでしょう。オフィスを廃止して完全テレワークに移行するのも一考です。また、資金繰り表を作成して普段から数ヶ月先の資金繰り状況を予測できれば、借入の交渉なども慌てずに行うことができるでしょう。支払いスケジュールの交渉・見直しや定期的な相見積もりによる取引先の見直しなども有効です。

今なら、補助金や助成金、給付金などを有効活用することもできるでしょう。普段から資金繰りに意識を向けて、情報収集しておくことも経営者の大切な仕事のひとつです。

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